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「燃えてきたぞぉぉっ!!」
真紅の剣を片手に、ボスへ猛突進するナツ。
「おりゃりゃーっ!」
手当たり次第に剣を振り回しているが、敵には一切当たっていない。
追いついたエルザ達がナツを止めようとした時。
ビキィン。
鋭い音と共に、光の矢がナツに襲いかかった。
それはほんの一瞬の出来事で、当のナツも何が起きたのか分かっていないようだった。
吹き飛ばされるナツに、ルーシィが悲鳴を上げる。
(やはり私がやるしか無いか)
次はエルザの出番だった。
白く輝く大きな剣を握り締め、敵に向かって行く。
ギュンッ。
目に見えないような速さで移動し、攻撃を開始した。
キン、キンッ。
攻撃はボスに命中し、それを見た皆が歓声を上げた。
「すごーい!さすがエルザ」
敵も小さく、痛そうにうめいた。
そして3発目を当てた時、ある異変に気付く。
4発目の攻撃が出来ない。
もう一度試してみたが、やはり出来ない。
その隙をつかれ、ボスの攻撃に吹き飛ばされた。
「エルザーっ!!」
またも悲鳴を上げるルーシィ。
バランスを取り着地したが、エルザは内心かなり焦っていた。
(何故だ?何故、攻撃が出来ない!?)
彼女の心境を察しているのかいないのか、ルーシィがすくっと立ち上がる。
「よーし・・今度はあたしがやってみる!」
「ル、ルーシィがぁ?」
ナツがあからさまに不安を訴えたが、ルーシィの睨みに縮こまった。
「フフフ・・今日こそは、あたしの強さを見せつけてやるんだから!」
「おおー頑張れ~」
明らかに棒読みなナツの台詞を無視し、ルーシィは走り出した。
「行くわよ、バルゴ!」
「はい姫」
「って、1人で行くんじゃねーのかよ!?」
思わずつっ込むグレイ。
まずバルゴが先にボスに近付こうとしたものの・・・
ボコオン。
巨人の巨大なハンマーに数メートル先まで飛ばされてしまった。
「申し訳ありません姫ー」
「ちょっとぉ何やってんのよ!」
ボスは次にルーシィを標的に決めたようで、彼女に集中攻撃を始めた。
「きゃあああ!!何なのこいつ!邪魔よっ!!」
その時ふと思いついた。
ジャンプをして敵の頭部に乗り移れば、少しは楽なのではないか。
それを察したグレイが呆れたようにルーシィを見る。
「おいおい、無理だろ」
グレイを無視して、踏み込む。
「てぇぇぇぇいっ!!」
誰もが諦め状態でルーシィを見上げている。
だが、ルーシィは空中で2度ジャンプして敵の頭部に辿り着いたのだ。
「ええええええ!?」
「やったぁ!」
皆が驚き目を見開く中で、1人ルーシィだけが喜んでいた。
早速ボスの頭を踏みつけていると、外側の仮面が壊れ怪しい文様が出てきた。
「・・・何これ?」
疑問に思ったルーシィだが、敵が抵抗し始めたので一旦降りる事にした。
着地したルーシィがくりすとハイタッチをしている。
エルザにも思いついた事があった。
(まさか・・私達の体質が変わっているのか?)
今のルーシィの様子やエルザの異変から考えてみると、そうとしか思えない。
決定的なのは、今時分たちは異世界にいると言う事だ。
「皆、よく聞いてくれ。今のルーシィのように、皆の体質が変わっているのかもしれない。これを利用すれば勝てるかもしれないぞ」
「マジか!?」
「言われてみれば・・エルザも何か変だったしなぁ」
「そっかぁ、なるほど」
あくまで推測だが、とりあえずこの戦法で行くしか無い。
「じゃーさっさと片付けるぞ!」
「はい、グレイ様!」
先程まで戦いの様子をぼんやりと見つめていたくりすも、すっかり意気込んで指揮を取る。
「弱点は、あの頭の文様だよ!あそこを集中攻撃して!!」
今まで戦っていて皆に加え、ジェラルドも輪に加わった。
「「おーっ!!」」



続く
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【2011/03/08 20:00】 | その他二次小説
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最初こそ騒いでいた一同だったが、今現在はだいぶ静かになっている。
それは皆が疲れてきているからなのか、それとも・・・
「・・・何、ここ・・」
「廃村、だよ」
「廃村!?」
辿り着いた場所が、この廃村だからなのか。
だが、予想外の事態が起こった。
「すす、すげえぇぇぇ!!ハッピー、腐ってるぞー!!」
「ナツー、あんまし触っちゃ駄目だと思うよー」
「すごい・・何年経っているんだろう」
「何年どころではないな。何百年・・・いや、何千年と言ったところか」
またしても一同が騒ぎ始めたのだ。
「・・・あのー、皆さーん・・・先に進んで良いですか・・?」
「おっ、おう!」
「あいさ!」
とりあえず先に進む意欲は出たようなのでほっとした。
そんな中、ジェラールだけは浮かない顔をしていた。
「どうした、ジェラール」
「・・・・いや、何でもない」
どう見ても何でもない感じはしなかったが、皆に迷惑をかける訳にはいかないので、エルザはそのまま先へ進んでいく。
「・・・・・」
彼は、どうしても街で起こった出来事を忘れられなかった。

「君、名前は何と言うのかね」
いきなり街で老人に声をかけられた。
「あ・・ジェラール、です」
「ジェラルド!?」
とんでもない勘違いをされたので、ジェラールはあわてて否定する。
「違います。ジェラール、です」
「ジェラルド・・・」
だから違うっての。
「ジ ェ ラ ー ル 、です」
「ふむ・・・ジェラルド君」
あの、話聞いてます?てか聞こえてます?
「主と同じ名前の者がこの街に居るのだよ」
「え・・ジェラルド、って言う人が?」
「今は樹海に用があるらしくてな、泊りがけらしい。探してみると良いぞ」
樹海・・・まさに、自分の目的地であった。

樹海の最深部に近づいたところで、くりすがいきなり声を上げた。
「あーっ、ジェラルド!」
ぴくっとジェラールの身体が反応する。
「久しぶり、くりす。今・・魔物、何匹斬った?」
「24578匹」
「そうか。俺はまだ120匹だ」
奇妙な会話のやり取りを、ぽかんと見つめる一同。
初めてナツがジェラルド(?)を指差し、こう言った。
「お前、ジェラールって言うのか?」
((違ぇよっ!!ジ ェ ラ ル ド、だよっ!!))
一同が密かにツっこむ。
「ナツ、そしたら『アナザージェラール』じゃない?」
ハッピーも本気でそう思ってるらしい。
「馬鹿、それじゃ『もう一人のジェラール』だろ。『三人目のジェラール』は・・・何て言うんだ?」
「多分、three Jellal」
ハッピーは妙に流暢な英語を披露してみせる。
「おおっ、ナイスハッピー!」
((『three Jellal』じゃ、『三人のジェラール』だろっ!!))
「じゃ、お前・・今日から『T・J』な」
勝手に意味不明なあだ名をつけるナツ。
「・・・・・・はっ??」
当のジェラルド(?)は、やはり意味不明だと言うように固まってしまう。
「・・・ナツ、やめないか。ジェラールではなく、ジェラルド、だ」
呆れきってエルザが教えてみるが、
「良いんだ!!『TJ』なんだ!!」
ナツは言う事を聞かない。というか、話を聞かない。
とにかく、これでは話が進まないのでくりすが仕切った。
「ジェラルド、どうしてここに居るの?」
「ここの最深部にある『石版』に興味があったんだ」
「えっ、ジェラルドも!?」
「うん、だけど中には怖くて入れない」
くりすが眉をひそめた。
「どうして?ジェラルドなら、この先にいる魔物なんて一発で倒しちゃうでしょ」
「それが、そうでもないんだよ」
「「!?」」
「この先の敵が、異常に凶暴なんだ」
ジェラルドは、落ち込むように肩を落とした。
そんな様子を見て、
「おうっ、任せとけ!オレ達が倒してやる!」
ナツが拳を上げた。
「ナツ、あたし達・・まともに戦ったこともないのよ。いきなりは・・・」
「やってみなきゃ分かんねーよ。じゃ、先に行ってるな!」
ナツは1人で行ってしまった。
「ナツー!待ちなさいよー」

・・・この後待ち構えている、敵の正体さえ知らずに。

【2011/01/02 19:53】 | その他二次小説
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「・・・ここは・・」
見渡す限りの青空と、どこまでも続く草原。
俗に『天国』や『あの世』、『死後の世界』と言われている場所かと彼は直感した。
「・・・・あら、久しぶりじゃないジーク」
そして目の前にいるのは、元六祈将軍・レイナだった。
「レイナ・・・」
「なんだぁ、アナタも死んじゃったの?もっとしぶといタイプかと思ってたのに。ま、暇つぶしにはちょうどいいわ」
「ここは、『死後の世界』というやつか?」
「そうね。今はどこかに行ってるみたいだけど、シバも来てるわよ。ああ、あとルシアとかジェガンとかも」
楽しそうにレイナが笑った。
「ルシア・・という事は、ハルたちは勝ったんだな・・・」
「嫌ねぇ、今頃気づいたの?来るのが遅いわ。意地張って墓の前なんかに居座ってるからよ」
「意地張って、か・・・。そうだな、だが今はもう心配ない」
「結婚しちゃったもんねぇ、あの2人。確か子供の名前は・・・レビンとか言ったかしら」
「何っ!?結婚は分かるが、もう子供まで!?」
「・・・アナタ、本当に時代遅れてるわよ」
「・・・・・・・」
ぐったりとうなだれるジークハルト。
「まー、元気出しなさい。恋が実らない事なんて、人生いくらでもあるんだから」
「・・・もう、オレたちは人生が終わっているんだぞ・・」
「あ、そういえばそうだった」
「・・・・・」
「・・・ねぇ、ムジカはあれからどうしてる?最近、ちょっと池の調子が悪くてさ」
「池?」
「地上の様子を見れる池よ。ここの所、見えたり見えなかったりで・・・」
「そんなものがあるのか。・・・ムジカは今でも元気にやってるよ。たまに女をナンパしたり」
「・・・・・・ふぅーん・・・。ナンパねぇ・・?あの浮気男・・今度こそタダじゃおかないわよ」
レイナは鬼のような形相で腕の飾りを握る。
「レイナ、何して・・」
「これ、『絆の銀』って言うのよ・・・。フフフ、これであいつを呼び出してあげるんだから」
「よ、呼び出すってまさか・・・。やめろ、そんな事したらムジカが」
「大丈夫よ。あの男、前にも死にかけてここに来たけど、生き返ったから」
「そうか。それなら安心だ」
ジークハルトはあっさり納得してしまう。
「でしょ?よーし、来なさいクズ男」
ギュゥゥゥン。
銀がねじれるような不気味な音の後に、人影が見えた。
「来た来た」
「ほ、本当に来たのか・・・」

その頃、地上界。
「ム、ムジカ!?どうした急に」
「・・・ハル・・。オレはそろそろ天に召されるみてぇだ。いやむしろ堕ちると言った方が・・・うぼ、苦しっ」
「きゃー、ムジカー!?しっかりして!ムジカ!」
彼の意識はどんどん遠ざかっていった・・・。

「ぎゃぁぁぁぁ苦しいぃぃ!!」
その人影は苦しそうに首を押さえていた。
「!?」
「フフ・・・あいつの首を銀で絞めて、ちょっと幽体離脱風にしてみたの」
「し、死ぬだろそれっ!!」
「一時的にはね」
「・・・・・・・」
もがくように這いずりながら、ムジカ(?)はこちらに近づいてくる。
「・・・・げほっ、がぼっ!って、レイナ!?それにジークも何で・・・」
「久しぶりね、カス男。アナタまた浮気してたんですって?」
「な、何でそれを・・・。い、いや、浮気なんかしてな・・」
「アホーーーーっ!!」
間髪入れずレイナの跳び蹴り。
どうせなら銀術を使えばいいのに、とジークハルトは思った。


「ごめんなさい、ごめんなさい。もうしません。レイナ様一筋でいきます」
「よろしい。早く帰りなさい、戻れなくなるわよ」
「って、お前が勝手に呼び出して・・・」
「・・・・・・何か、言ったかしら?」
「いえ何も言ってません」
「・・・・・・」
そんな妙な風景をジークハルトは黙って見送っていた。
「・・・あ、ジーク。お前にまた会えてよかったよ。みんな元気でやってるから、心配しないでくれ」
「・・・・ああ」
「早く帰れ」
「痛っ」
レイナに蹴り飛ばされたムジカは、慌てて霧の向こうに去ってゆく。
・・・・笑顔だった。

「・・・ふー。人生って色んな事があるのねぇ」
「・・・・・」
「アナタは覗いてみないの?あの池」
「・・・・もう少し、心の整理がついてから・・な」
「そう。じゃあ、あたしシバの所に行ってくる。いつまでも女と引っ付いてるんじゃないわよって」
「・・・・・頑張れ」
彼女らしいなとジークハルトは思った。
これから自分は・・自分の魂はどうなるのか、よく分からない。
だけど、もう少しここに居たいなと思った。

もう少し、『池』とやらを通して地上を見下ろしたいな・・・と。



終わり

【2010/12/09 20:12】 | その他二次小説
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雲ひとつない青空。
その地の中心にある「街」・・・。
そこで彼らは休んでいた。
「疲 れ た っ ! !」
(エルザとくりす以外の)一同は、とあるカフェでぐだぐだしている。
なにせ、ダンジョン(しかも最深部まで)を一通り回ってきたのだから、無理もない。
「お疲れ様。で、早速なんだけどこれから行きたいところが・・・」
「はあ!?まだどっか行くのか!?」
「ちょっとは休ませてくれ!」
ぎゃあぎゃあと反論の声が響く中、唯一賛成の手を挙げたのは・・・
「まあ、いいじゃないか。楽しそうだし」
エルザだけだった。
「どこが楽しいんだよ!?」
「てか、今度は何するんだよ!?」
エルザは静かに、テーブルの上に一枚の紙を置いた。
「・・・・なんだ、これ?」
「よく見てみろ。なかなか面白そうだぞ」
その紙に書いてあった面白い事というのは、これだった。
『とある樹海 選ばれし戦士だけは 最深部にある石版へと 進むことが出来るなり』
「・・・・・・・・」
しばらく沈黙が流れる。
「なんじゃこりゃ??」
一番最初に沈黙を破ったのはナツだった。
「選ばれし戦士・・・?って、何なの?」
ルーシィがエルザに疑問符を投げかけると、エルザは一番下に書いてあった小さな文章を指差した。
『選ばれし戦士 それは 異界から訪れる 8人の戦士たちなり』
「・・・・ていうか、この語尾の『なり』って何なのよ」
「さあな・・・」
「ん?待てよ」
グレイが急に考え込んだ。
それに気付いたらしいジュビアが、先の言葉を口にした。
「もしかして、8人の戦士って言うのは・・・」
さらにジェラールが、今いる人数を数えた。
「オレ達が、8人だから・・」
それを聞いたルーシィが驚く。
「あたし達が、8人の戦士かもって事!?」
「す、すげえな!そしたらどうなるんだ!?」
「あい!きっと金銀財宝がザックザクなんだよっ!」
「お前・・・話聞いてないだろ・・」
グレイがあきれたように呟いた。
「・・・で、この石版って言うのは何なんだろう」
「・・・・・それを確かめる為に、樹海へ行くんだ」
今まで黙っていたくりすが、そこで口を開いた。
「おう!そうと決まったら・・・さっさと行こうぜっ!!ハッピー!」
ナツが、一人で走っていってしまった。
「あいさーっ!」
ハッピーも、全速力でナツの後をついていく。
が、
「ナ・・・ナツ!うまく走れないよ!」
「は?お前なに言って・・・」
言いかけたナツが、止まった。
「そっか・・・お前、魔法使えないんだっけな・・」
ハッピーの使う魔法は、「エーラ」・・翼だ。
今までその翼を主な移動手段としてきたハッピーは、走る事にあまり慣れていないのだ。
「仕方ねえな・・・・ほら、これでいいだろ?」
ナツは軽々とハッピーを持ち上げ、自分の肩に乗せた。
「・・・あい!」
ハッピーがまた、満面の笑みで笑った。

ナツたちに少し遅れながら、残りの皆はナツたちの後を追っていた。
「・・・ナツって、案外優しいよねぇ」
ルーシィのその言葉に、思いもよらない返答が返ってきた。
「・・・なんだ、惚れたのか?」
エルザがニヤニヤしながら、そう言ったのだ。
「は、はあっ!?エルザ、何言ってんの!?」
そう言いながらも、ルーシィの顔は赤くなってきている。
「できてぇる」
バルゴが巻き舌風に言う。
「できてないからぁっっ!!」
彼女の声は、広場に虚しく響くのであった。



続く

【2010/09/21 17:48】 | その他二次小説
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次第に窓から見える風景が移り変わってゆく。

「・・・・・ほんっっと、ありえないって!!」
彼女は小さな簡易テーブルをバンと叩く。
「うっせぇぞ、ルーシィ。てか髪くせぇぞ」
隣にいたナツが、迷惑そうに言った。
「余計なお世話よっ!!」
当然のことながらルーシィは怒鳴る。
「まあまあ、そうピリピリすんなって。仕方ねえ事だろ、エルザが決めたんだから」
グレイがなだめるように仲裁に入った。
「だ、だって・・・。ヒロインは仮にもこのあたしなのよ!?なのになんで、エルザはいいとして・・・
 あんなマイナーすぎる人たちがメインな訳!?おかしいと思わない!?」
少しヒステリック気味にルーシィが大声を出す。
その時、今まで(魚を食べていたために)黙っていたハッピーが口を挟んだ。
「しょうがないよ。エルザとジュビアは強いし。エルザはジェラールと・・・でぇきてぇる・・し」
「巻き舌風に言わないのっ!!てかそれって本当なの!?」
「あい。多分そうかもしれないしもしかしたら意外と違うかもしれないけど多分」
「曖昧すぎるから!!」
そこで、乗り物(汽車)によったナツがうめく。
「うう・・・うぷ・・・くせえ・・」
「うるさーーいっ!!!」
「あい!」
「・・・てか、何でルーシィじゃなくてバルゴなんだ?お前、魔力大丈夫なのか?」
グレイが疑問そうにルーシィに尋ねた。
「ああうん、異世界だから大丈夫じゃない?ってことに・・・・
 ・・・ああーっ!!そういえばバルゴもメインだったんだ!」
「まあ、バルゴが強いのかどうかは知らねえが、契約者の武器が鞭ひとつじゃな・・・」
「そんなことないんだなこれが!今回はこのラケットを武器にするんだから!」
「う・・・うぷぅ・・武器・・弱え・・・うぶ」
「あんたはいちいち余計なお世話よ!!気分悪いならおとなしくしてなさいよ!!」
グレイは呆れ顔をしながら、話題を変えた。
「・・・にしても、エルザたち大丈夫か?」
「うん?」
「エルザたち、あの怪しい女についていったんだろ?名前は・・・なんだっけ?」
そう言いながらルーシィの方をちらっと見た。
「・・・・・『ミカ』でしょ」
「ああそうそう、そいつがギルドに来たせいでこうなったんだろ?」
「んー、まあね。ていうか今更だけど、この異世界っていうのもなんかおかしいわよ。
 だって、魔法が使えなくなっちゃったじゃない?しかも、人もなんとなくおかしいし」
ルーシィはそう言って近くにいた女性を見た。
顔を仮面で隠し、衣服から覗いている手は長い上に鳥のような手だ。
そしてその隣にいる男性は、やたらと背が低く頭から葉のようなものが生えている。
おかしすぎる。
「・・・・はあ。何なんだろう、ここ・・・」
ルーシィは大きなため息をついた。


「『強化訓練』?」
エルザ達は、自称冒険者・ミカとともに別の列車に乗っていた。
「そう。この世界じゃあなた達の世界の魔法は使えないの。・・・ほとんどは」
ミカは最後に短く補足する。
それに疑問を持ったジェラールが質問した。
「・・・ほとんど?」
「うん。炎・氷・雷属性魔法は、簡単に誰でも使えるよ。あと、聖属性とか治癒魔法とかも」
「治癒魔法!?それって、失われた魔法・ロストマジックの一つじゃないですか」
驚いたのか、ジュビアの声が少し大きくなる。
「ま、そっちの世界ではね。・・・そういうことだから、この世界では武器をメインにして戦うの。
 そして強くなるためには、ある程度のステータスとアビリティが必要になる。だから・・・」
「・・・そのために、『強化訓練』を行うということか」
今まで口を開かなかったエルザが言った。
「そうそう、さっすがエルザ!かっこいいよ」
ミカのコメントは完全に無視して、エルザが尋ねる。
「・・・で、それは何をするんだ?」
「ああ、強化訓練?実はまだ、『実験』が成功してないからまだ先のことなんだけど」
「・・・『実験』?」
「・・・・・最強ステータスの冒険者育成の実験」
「最強ステータス!?」
またしてもジュビアが驚いて声を上げた。
「でもこれは、材料が不足してるから一人ずつしか育成できないんだ。すごく効率悪いけど」
「材料?それはもう手に入れられないのか?」
ジェラールがミカに尋ねた。
「あー、いろいろと入手困難っていうか・・・。・・この育成には、『ジュエル』っていう材料が必要なの。
 それを装備品にセットするといろいろな特殊効果が現れるんだけど・・・」
他の4人は、声を出さずにミカの話を聞いている。
「・・この育成に必要なジュエルは、ほとんどが装備品のレベルを上げない限り手に入らない。
 その上、その装備品を手に入れることさえ困難。そして、一人少なくとも3個ずつは必要」
「・・・3個×4人で・・・12個も必要なのか?」
「・・・・・うん。だから、その方が効率悪いでしょ?」
「まあ、確かに・・・」
「・・・そういうことで、どっちにしても時間かかるから、4人には『プレ戦闘』をしてもらうことにしたの」
「「『プレ戦闘』!?」」
4人・・・いや、正確には(一切声を出していない)バルゴを除いて3人が同時に声を出した。
「まあ、そういっても最初はこの世界・・・この大陸をよく知ってもらう感じかな。
 とりあえず自由に動き回ってもらうだけだし、経験値も上がらないから心配要らないよ」
一呼吸置いて、ミカが続けて言う。
「まあ、そういうことだから第2パーティのナツ達とも一緒に行動していいよ」
その一言で、他の4人の顔がぱっと輝く。
「・・・これで騒がしくはなりそうだが、楽しくもなりそうだな」
エルザが嬉しそうに言うのを、ジェラールは黙って見つめていた。
「ああ、グレイ様・・・!これでやっと、ジュビアはグレイ様と・・・!」
ジュビアは空想(しいて言えば妄想)に浸っている。
「姫・・・」
バルゴがぽつりと呟く。
「・・・・・あのー、皆さん?ちょっとお客様が来てますが??」
ミカが居心地悪そうにしながら言った。
「・・・お客様?」
ふと横を見てみると、アリスのような格好をした少女が立っていた。
「初めまして。『くりす』って言います。この育成の・・・先輩でもあります。よろしくお願いします」
((育成の先輩?))
4人は疑問に思ったが、とりあえず自己紹介をしていく。

「・・・・じゃ、自己紹介終わったところで説明するね」
ミカはそこで自分のリュックから分厚い本4冊を取り出した。
「・・・この本に、この世界の基本知識とかが書かれてるから、後でゆっくり見といてね。
 ・・で、この『プレ戦闘』はあたしじゃなくて、くりすが監督として一応つくから」
『一応』という言葉にくりすは眉を寄せたが、そのまま黙っていた。
「そんで、くりすは今のところ街じゃなくて樹海の村に住んでるの。
 だからあなた達も、くりすと一緒に村にホームステイすることが条件ね」
「ホームステイ?住人に迷惑をかけるんじゃないか?」
エルザは心配そうに尋ねたが、ミカは何でもなさそうに答えた。
「ああ、大丈夫だって。村の住人、2人と1匹しかいないから」
「・・・・・え?」
「まあ、色々あったらしくてね。でも家は余ってるから、自由に使っていいんだって」
よく事情は分からなかったが、とりあえず納得しておくことにした。
「・・・・・おっ、丁度良く到着したね。じゃあ、たまに村に寄るから、詳しくはくりすに聞いてね。
 じゃ、頑張ってね~♪」
ミカはそう言ってさっさと駅を出てしまった。
「・・・まったく、くるのも突然だが去るのも突然だな」
エルザはそう言いながらも、つい先ほどの出来事を思い出していた。


「はあ!?異世界!?」
「ま、落ち着かないのも分かるけどさ。とにかく、こっちでやって欲しいことがあるの」
「なんだよそれ」
「それは秘密。ただ、こっち来ればいい物があるよ」
「マジか!?」
「こらナツ、乗らないの!・・・・・・」
・・・・・・


(・・・いい物というのは、結局なんだったのだろうか?ハッタリだったのか・・・?)
「・・・んん??」
エルザがふとジェラールの方を見ると、くりすがやけにジェラールに近い位置にいた。
「うわっ本物だ!本物のジェラールだっ!実物かっこいいよマジで!!」
くりすは目をきらきらさせながら、ジェラールに詰め寄っている。
「・・・・・・くりす。ジェラールはそんなに有名なのか?」
今度はエルザがくりすに詰め寄る。
「あ、あの・・・ミカに写真見せられてて、それでかっこ・・・・・」
くりすの言葉がなぜか途中で途切れた。
「・・・???」
エルザは訳も分からず立ち尽くしていたが、とりあえず駅のホームから出ることにした。

「・・・あの」
「うん?」
「エルザさん・・・ですよね?」
「ああ、さん付けなどしなくていいぞ」
「エルザ・・・ジェラールとの関係はどうなんですか?」
「はっっっ!!?」
「だって・・・二人とも絶対お似合いだから・・」
「そそそ、そんなことはないぞ!?」
「あ、動揺してますねエルザさん。恋は大切ですよ」
いつの間にかジュビアも加わっている。
返答に困っていると、向こうにナツたちの姿が見えた。
「ほ、ほら、グレイがいるぞジュビア!」
まるで何かのスイッチが入ったようにジュビアが反応した。
「グレイ様あぁぁぁっ!!!」
「ぐほっ!?ジュ、ジュビアか!?」
すごい勢いでジュビアがグレイに飛びついている。
それを合図に、バルゴもルーシィのもとに潜っていく。
「きゃあっ!?バ、バルゴ!?」
「・・・姫、お仕置きですか?」
「なんでよ!?」
そして、ジェラールと目が合ったナツは、すごい大声で叫ぶ。
「ジェラァァル!!火!!火くれ!!」 
「・・・・はあ・・」
ジェラールは、仕方ないというようにナツのもとへ向かっていった。
「あっ!エルザだー!」
ハッピーがエルザの方へ飛んできた。
「ハッピー」
「エルザ、別行動じゃなかったの?」
「ああ、だが事情が変わってな。これからしばらく、お前達と一緒に村で過ごすことになった」
それを聞いていたナツ達から、おおっと歓声が上がった。

事情をくりすから説明されると、ナツ達はさらに喜んだ。
「じゃあ、自由にぶっ壊していいんだな!?」
「駄目でしょ!!」
そのやりとりを見て、エルザは思った。
(・・・やはり、ナツ達とも一緒に行動したかったな・・・)
「まあ、これでナツが火、火って騒がしくなくなるな。俺達が出せばいいんだろ?」
「不味ぃ」
「なんだとてめえっ!!」
「やんのかグレイ!」
「ちょ、やめなさいよ二人とも・・・痛っ!!なにすんのよ!?」
「姫、お仕置きですか?」
「バルゴ!!今それどころじゃ・・・・きゃあっ!」
「ああっ、グレイ様・・服ーっ!」
「しまったあっ!!」
「ジェラール、魚出して~」
「出せないし!オレは手品師か!?」
ぎゃあぎゃあと好き放題やっている皆を見て、エルザは思い直した。
(・・・とりあえず、今を楽しもう・・)
そして、仲裁に入るべく皆のもとへ向かう。
「こらっ!お前達、何をやっている!?」
「エルザ!」
「「お・・・オレ達今日も仲良くやってるぜぃ」」
「あい!」


そして、楽しくなるであろうはずの旅は、後に混乱と恐怖を招くこととなる。

今、ここで暴れているナツ達は、まだそのことを知らない・・・。



続く

【2010/08/24 15:15】 | その他二次小説
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