主にFAIRY TAILの二次小説とオリジナル小説を書いているブログです。CP要素が含まれておりますので、苦手な方はご注意ください。
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ジリリリリリ。
目覚まし時計が鳴る。
それを合図に彼女は起き上がり、時計のベルを止めた。
(6時半・・・・か)
とりあえず着替えようと思い、立ち上がったところでドアがノックされた。
「・・・・・エルザっ!?起きてる!?大変なの!!」
「・・・ルーシィか?入っていいぞ」
バンッ。
エルザが答えるなり、即座に扉が開く。
「どうしたんだ?」
ルーシィは血相を変えて、早口で喋った。
「エルザ、・・・の刑、執行だって。今日」
「・・・え?誰が?」
肝心な名前がよく聞こえなかった。
だが、その時すでにエルザは誰の事だか、おおよそ見当は付いていた。
それでも口にすることが怖くて、聞いてみたのだ。
「・・・・それはね・・」
ルーシィの口が、重たげに開いた。


『・・・ナツ・・・!ナツ・・!!』
(・・・・・お?)
ナツは気が付くと、不思議な光の中にいた。
・・・・ああ、ここは・・夢の中だ。
だって、そこにいたのは・・・
(リサーナ・・・じゃねえか・・)
心の中でそう思ったつもりが、すべて筒抜けになっていたらしい。
『そうだよ』
リサーナはそう言って、昔のようにナツに笑いかけた。
(リサーナが・・・・お前、何で・・夢に出てくるんだ?)
心の中でリサーナに問いかけると、彼女は急に寂しそうな表情になった。
『・・・ねえ、ナツ』
(ん?)
『早く、行かないと・・・あなたの大事な人が・・・』
(・・・誰だよ、それ)
ナツは冗談まじりに笑ったが、リサーナは真剣なまなざしで自分を見つめている。
『・・・取り返しの付かない事になっちゃうよ・・・!早く、起きないと・・』
そこでリサーナの言葉は途切れ、彼女が消えていってしまうように見えた。
(あ、おい!待てよ・・・!)
まだ行かないでほしかった。
『・・・・じゃあね、ナツ!早く起きて、・・・行きなさいよ!』
最後のほうはかすれていてほとんど聞こえなかった。

「・・・・・・リサーナっ!!」
(・・・あれ?)
そこは見覚えのある、自分の部屋だった。
(夢から・・・覚めたのか・・)
本当はもう少し夢の中にいたかった。
彼女ともっと話したかった。
もう一度二度寝したとしても、もう・・・逢える可能性は低いだろう。
「・・・ったく、なんなんだよあいつ・・・」
ナツは笑ったつもりだったが、彼の瞳にうっすらと涙が浮かんでいた事に自分でも気が付いていなかった。
ふと時計に目をやると、ちょうど6時半を過ぎたところだった。
「・・・ふぁあ、まだこんな時間かぁ・・・。寝よ」
ナツはまたもぞもぞとベットに潜りこんだが、そこでふと先ほど夢で言っていたリサーナの言葉を思い出した。
『早く、行かないと・・・あなたの大事な人が・・・』
『・・・取り返しの付かない事になっちゃうよ・・・!』
(・・・大事な人・・・取り返しの付かない事・・・・ねぇ)
ふっと笑って、今度こそ寝ようとベットにまた潜りこんだ時だった。
「ナーツゥ~!」
バタバタという足音とともに、扉がバンッと開かれた。
(・・・・今度は何なんだよ・・・)
「んだよ、ルーシィ。勝手に人ん家入ってくるんじゃねえぞ」
「それはいつも、あんただってやってるでしょっ!!・・・それより、大変なんだって!」
「あ?」
『・・・取り返しの付かない事になっちゃうよ・・・!』
取り返しの、付かない事?
「刑が、執行されるんだって、今日・・・」
「誰のだよ?てか、何の話だ?」
『・・・あなたの大事な人が・・・』
大事な、人・・が?
「・・・・・それが・・・」
大事な人・・・。
ギルドの皆、みんなの家族、そして、
「・・・ジェラールの」
そうだ。
ジェラール・・・!
「・・・ちょっ、ナツ!!」
頭より先に体が動いていた。
慌ててルーシィも追いかける。
「・・・ルーシィ、刑が執行される場所ってどこだ!?」
「あ、えと・・・、マグノリアの近くみたい。・・・ほら、ここ!」
ルーシィが新聞の記事を差し出す。
そこには地図も載っていた。
「サンキュー、ルーシィ!」
「あっ!!ナツ!待ちなさいよっ!!」
もう、ルーシィの声は耳に入っていなかった。
(リサーナ・・・)
お前が言ってた取り返しの付かない事って、この事なのか?
ジェラールはおとなしくやられるつもりなのか。
エルザのそばにいろって言ったのに。
仲間だって言ったのに。
そんなこと・・・・、
「オレが許さねぇぞっ!!待ってろ、すぐに助けてやっからな!!」


『多分、ナツも行ってくれると思う。だからエルザは先に行ってて。あたしはナツと行くから』
ドンッ。
「うわあ!?」
「きゃあ!?」
「!?」
誰かにぶつかってしまったらしい。
振り向くと、そこにはグレイとジュビアがいた。
「あ、ああすまない・・・。今急いで」
「分かってるって!オレ達も今から行くところだったんだ!」
「・・・え・・?」
「ジェラールの事ですよね、エルザさん?私達も行きます」
「グレイ・・・ジュビア・・」
思わずエルザの瞳から涙がこぼれそうになる。
・・・でも、こんなところで泣いている場合じゃない。
「ありがとう」
エルザはそれだけ短く言うと、2人と一緒にまた走り出した。


知らない者に縛られ、見知らぬ船に乗せられ、とある孤島に着く。
そこでは、巨大な塔の建設が始まっていた。
これから何をさせられるんだろう。
見えない恐怖に駆られ、震えていた彼女の隣を見ると、そこには同じくらいの年の少年がいた。
(・・・?何だろうこれ・・・)
彼女は、少年の右の頬に何かが描かれてある事に気が付く。
(・・・・・・イレズミ・・・?ってやつなのかな、これ・・)
自分と同い年くらいなのに。
彼は眠っていたらしいが、突然ぱちりと目を開けた。
(う、うわぁっ・・・!)
びっくりして、危うく声を上げそうになる。
自分が見つめていた事に気が付いたらしく、彼女と目を合わせるとにっこりと笑った。
もっとも、声の出せない船内では彼との接点はそれぐらいだった。

「・・・・・・お前らはここに入れ。もたもたするんじゃねぇぞ」
『奴等』の一人にそう言われ、ぞろぞろと人が入っていく。
そして彼女も、その中に入った。
「・・・明日の朝4時には起きていろ。起きてなかったら朝飯抜きだからな」
男はそれだけ言うと去っていった。
男の姿が見えなくなるのを確認すると、牢の中はざわざわとし始めた。
彼女はきょろきょろと辺りを見回す。
無論、知り合いなどいるはずもなかった。
第一、彼女は捨てられたのだ。
だが、見覚えのある少年が彼女の前に立った。
「・・・あ・・・」
船で隣にいた少年だった。
彼は先ほどと同じように笑うと、彼女に話しかけた。
「君、さっきの子だろ?名前は?」
おどおどとしている彼女を見て、少年はまた喋った。
「オレはジェラール。君は?」
「・・・・・エルザ」


(・・・ジェラール・・・それさえも忘れたまま、勝手に行かせなどしない・・・!)
エルザは強く拳を握り締めた。



続く
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【2010/08/29 21:24】 | FT二次小説
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