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まだ早い時間だからか、辺りは静まり返っている。
そんな公園に1人、エルザがぼんやりと佇んでいた。
先程まではジークも一緒にいたが、彼は飲み物を買いに行ってくれているので、今はいない。

(やはり、1人でいるのは寂しいな・・・)

人気の無い公園を見渡して、溜め息をつくエルザ。
寂しさを紛らわす為、貰ったばかりの結婚指輪を撫でたりして弄んでみる。
指を動かす度に日の光が指輪に当たって、中心に付いた青い石がきらきらと輝いた。
それを見て、余計に彼の事が思い出される。

早く帰って来ないかな。

指輪を見つめながら、2度目の溜め息が吐き出される。

だから、気が付かなかった。

彼女の前に、不審な影が伸びていた事に。

ガチャッ。

何か硬いものが動く音がして、エルザはようやく顔を上げる。
「誰だ!?」
エルザの問いかけに答えるように、その人物は現れた。

水色に近い青のショートカットの髪が、さらりと流れる。

見間違える筈もない。

たった昨日まで親友で。
だけど、本当はエルザの事を騙していて。
エルザを裏切った人物。

ジュビアだった。

「1日ぶりね、エルザさん」
「ジュビア・・何故ここに!?それに、その格好は・・・」

エルザが見てきた限り、ジュビアはワンピースなどを着ている事が多かった。
それも水色や淡いピンクなど、明るい色の。

だが今の彼女は、黒いスーツにスカート、これまた黒いストッキングにハイヒールと、いつもとは全く正反対の格好をしている。
何か、おかしい。

ジュビアは一歩前に歩み出て、その結論を出した。

「グレイ様が、死んだの」

「!!」
「・・・今朝、起きた時の事だった。グレイ様の部屋に入ったら、彼は・・首を吊って自殺した後だった」

昨日の今日で、そんな事が起きてしまうのだろうか?
彼の身に何が起きたのだろう。

ジュビアは喋り続ける。
「どうして自殺したのかは、ジュビアにも正確には分からない。だけど、大体の想像はつく。グレイ様はきっと、自分の正体がばれたせいで、周りから白い目で見られ、罵倒され・・それで生きるのが辛くなったから、死んでしまったのよ!・・・全部、貴方のせいでね!!貴方がばらさなければ、こんな事にはならなかった!!」
涙を流しながら、ジュビアは小型の銃を構える。
エルザは思わず身体を強張らせた。

「だからジュビアが、グレイ様の仇を取るの。今ここで、貴方を殺す」
「っ!!」
今度こそエルザの身体は硬直してしまった。

ジュビアの瞳は真剣そのものだ。
きっと、本気でエルザを殺すつもりなのだろう。

エルザも、覚悟を決めた。

「ならば、殺してくれ」

「!」
予想外だったのか、ジュビアは戸惑うように目を泳がせる。
「確かに、全て私のせいだ。グレイのせいでも、お前のせいでも・・誰のせいでもない。悪いのは、私1人だ。もはや、私に拒否する権限など無い。今まで、すまなかった」
謝罪の言葉を述べ、目を閉じているエルザに躊躇したように、ジュビアは引き金に掛けた指の動きを止めた。

そう、悪いのは私。

皆を裏切り、自分の欲望ばかりを追い求めた。
私こそが罪を償うべきだ。
私だけが。

「あああああああっ!!」
彼女の声と共に、一気に引き金が引かれた。

ドォン。

正に裁きの矢である弾が、少女の胸に命中する。
エルザの視界は真っ赤に染まり、身体が後ろに傾いた。

「・・・・あ・・あ・・・」
か細い声がジュビアの口から漏れた後、ぱたぱたと走り去っていく音が聞こえた。

エルザは少しだけ重い瞼を開いた後、また目を閉じた。

禁忌の罪を犯した少女の瞳は、その後も開く事はなかった。



続く
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【2011/08/28 17:54】 | FT二次小説
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