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ほんの一瞬だけ自分の周りが白く包まれ、ふわっと浮く感覚があった。
そして、包まれていた光が消えると、重力によって地面に投げ出される。
アスファルトの上にでも落ちたのだろうか、膝に硬いものが当たった。

「・・・ここは?」
エルザは呆然と辺りを見渡した。
同時に、自分の目線がやけに高い事に気付く。
はっと下を見ると、ルーシィとガジル(・・・だったか?)がエルザの下敷きになっていた。
慌てて彼らの上から降りたが、2人は互いを見て何故か言い合いを始めた。

「ガジル!!ちょっとあんた、重いわよ!鉄の食べすぎなんじゃないの!?」
「うっせーな!!文句があんなら、こっちに人間の方に言え!!」
「人のせいにするなっ!!あんたがアイテムの使い方が下手だから、こんな酷い瞬間移動になったんでしょ!!この、ど下手くそ!!」
「じゃあてめぇが使ってみろよ、ああ!?人の事言えねぇだろが!!」

「・・・お、おい・・」
かなり低次元な言い争いを見ていられなくなり、エルザが仲介に入ろうとした時。

「あらあら。またやっているのね、この2人は」

透き通った声と共に現れたのは、白銀の髪の女性だった。
どうも、女性の服装に見覚えがある気がする。
(!!)
その意味に気付き、エルザは思わず息を呑んだ。

教会の者が着る服だ。
という事は、つまり。

目の前に建つ建物を仰ぎ見ると、そこはやはり教会だった。

まさか昨日の教会かと、一瞬ぎくりとしたが、そことは違う教会のようだ。
エルザはほっと胸を撫で下ろした。

「ガジル、任務ご苦労様。ルーシィも、・・・そちらの人間の方も、ご無事で何よりです」
白銀のふわふわとした髪を揺らして、女性が微笑みながらルーシィたちに話しかける。
女性がいる事にやっと気が付いたルーシィとガジルは、言い争いを中断すると同時に、女性の前で跪いた。
エルザもつられて真似をした。
「ふふ、天使2人の方はともかく・・貴女は人間なのだから、そんなに畏まらなくて良いのよ。人間さん、顔を上げて」
言われた通りに顔を上げると、女性はエルザを呼ぶように手招きした。

「貴女には別室で話があるから、こちらへ。ルーシィとガジルは、そのまま教会の中へ入って。重大な任務を告げなければならないから」

「はっ」
「了解致しました」
跪いた姿勢のまま、頭をさらに下げたガジルたち。
エルザは黙って女性の後についていった。


ルーシィとガジルが教会に入っていくと、祭壇の奥に神父らしき大男の人影が見えた。
その脇にはもう1人男が立っている。
緑色の髪・・あれはきっと、大臣のフリードだろう。

ある程度の距離まで近付くと、神父が話を切り出した。
「まずは、ルーシィとガジル・・ご苦労だった。漢だ」
「有難う御座います」
「・・・・あの、私・・漢じゃないんですけど・・・」
ルーシィのか細い抗議の声は無視して、神父は再び口を開く。
「本題に入る前に、簡単に自己紹介をしておこう。私の名はエルフマン。表での役職はごく平凡な神父だが、裏・・というか天界での仕事は、この人間界での監視長だ。ちなみに、姉のミラジェーンも同様だ」

監視役、というのは聞いた事がある。
人間界で起きた大きな事件や情報などをいち早く伝える事によって、天界側の対応をより迅速に行うための役職らしい。
しかし、ずっと人間界に居なければいけないのだから大変だろう。

「ちなみに、好きな食べ物はプロテイン、誕生日はx月o日で、年齢=彼女いない暦・・」
もはや『簡単な』自己紹介に留まらず、無駄な情報を延々と流し続ける監視長。
上の人間・・いや、天使なだけに止める事が出来ないルーシィたちに代わり、一喝したのはフリードだった。
「・・・監視長、そろそろ本題を。彼女いない暦なんて、教えても監視長が自爆しているだけですよ」
「そ、そうだったな」
エルフマンは、こほんと咳払いをしてから、真面目な表情で語りだす。

「先程、重大な事態が起こった。主らを呼び出したのも、この為なんだが・・・」

緊迫した空気に、ルーシィとガジルはごくりと唾を呑む。

「『悪魔』から、挑戦状が届いた」

「悪魔から・・挑戦状!?」
思わず声に出してしまい、ルーシィは慌てて口を噤む。
フリードが、咎めるような視線をルーシィに向けてきた。

「・・・天王の元に、悪魔から手紙が届いてな。その中には、こう書いてあった。『これより、バックストレージ作戦を開始する。天使どもを殺されたくないのならば、俺たち悪魔を全滅させてみろ』・・と」

あまりに深刻な事態に、誰も言葉を発する事が出来なかった。

悪魔たちを全滅させなければ、自分たち天使が皆殺しに遭うかもしれないのだ。

だが、悪魔達の数は知れない。
果たして、自分たちは生き残れるのかどうか・・・。

「・・・・とにかく、私たちはまず、自身の身を守る他にない。主たちは担当地区の守備の強化、そして私たちはよりたくさんの情報を集める事にした」

何か質問はあるか、というフリードの問いかけに、ガジルが恐る恐る手を挙げた。
「・・・情報はどうやって集めるんですか?」
「それなら当てはある。主たちは守備の事だけを考えていれば良い」
ガジルは納得しないような顔をしながらも、何も言わずに下がった。

『バックストレージ作戦』。

何かが、引っかかる。

だが、その何かが分からない。

ルーシィもフリードたちの話に納得していなかったが、どうする事も出来なかった。

・・・この時までは。



続く
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【2011/10/30 20:56】 | FT二次小説
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