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「エルザ・・その男は誰だ?」
顔を青くさせながら、震える声でグレイが尋ねてくる。
それはエルザも同様だった。
「こ、この男は・・だな・・・」
何か言葉を紡ごうとするが、上手い弁解の言葉が出てこない。
「・・・そうか。エルザは、俺の事なんかこれっぽっちも思ってなかったんだな」
「ち・・違う!」
勘違いをしたらしいグレイは、そっと目を伏せた。
その時、2人の間に割って入る者がいた。

「これっぽっちも思っていないのは、お前の方だろう」
冷ややかな視線でグレイを見つめる男・・正しく例の青年だった。
そういえば、この青年の名は何と言うのだろう。
「んだと・・!?」
怒りで頬を赤くし、相手を威嚇するグレイ。
青年は尚も冷静な口調で、こう続けた。

「グレイ・フルバスター・・いや、本当の名は『グレイ・ソルージュ』。『十二又』という噂が有名な、低級貴族に名を知られる浮気男」

「「!?」」
エルザは驚きを隠せぬ顔で、グレイは焦りの滲み出た表情で、2人はそれぞれ硬直する。
「・・・やはり本当だったか・・」
「お、おい、ちょっと待て!!勝手に決め付けてんじゃねぇ、俺は・・・」
「グレイ・ソルージュの特徴といえば、左眉の上にある傷。・・・エルザ、合ってるか?」
か細い声で、青年の問いにエルザが答える。
「・・・・本当、だ・・」

前に、グレイのでこ傷をこっそり見た事があった。
自分の目に狂いが無ければ、あれは確かに左眉の上にある傷だった。

「おい、エルザ・・!」
「グレイ・ソルージュ、悪足掻きはもう止めろ。・・・何より証拠がいるんだからな、すぐ後ろに」
「「!?」」
エルザとグレイが同時に振り返った先には・・・

水色の髪の、ジュビアが立っていた。

「・・・・え・・?あの、ジュビア・・その・・・」
「ジュビア・ロクサー。グレイ・ソルージュの愛人の1人」
エルザは隠しきれぬ驚きに目を瞠る。

ジュビアが、グレイの愛人?

『グレイの事が好き』だという噂は聞いていたが・・・

ジュビアが、裏切った?

私の親友が?

無意識のうちに、瞳から涙が零れていた。
信じられなかったのだ。
自分が一番信じていた人達の、裏切りに。

青年が、そっとエルザを抱きしめる。
悲しそうにエルザを見てから、顔を上げグレイ達を睨んだ。

「お前等のような奴等の傍に、彼女を置いて行きたくない。だから・・エルザは、俺が連れて行く」

突拍子も無い青年の言葉に、グレイは何か言いたげに歯を食い縛ったが、それ以上何も言わなかった。
顔面蒼白のジュビアも、無言だった。
掛ける言葉が無かったのだろう。
「じゃあ、エルザ・・行こうか」

絶望の闇の中で、見えたのは青年の手という光だけ。
躊躇わず、エルザはその手を取った。
そのまま後ろは振り返らずに、青年の歩く方向に彼女もついて行く。

許されない思い募るまま。
彼女は全てを裏切った。



続く
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【2011/06/07 21:51】 | FT二次小説
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