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「ナツー!」
少女の、白銀の髪が揺れる。
彼女は幼馴染の名を呼び、彼の元へ駆け寄った。
桜色の髪を風で揺らしながら、彼は振り向いた。
「おー、リサーナ」
「こんな所で何してるの?」

ここは妖精の尻尾の裏手にある草原だ。
何も無いからなのか、人気は全くと言って良いほど無かった。

「な、な、何もしてねぇよ」
リサーナがナツの手元を覗き込むと、彼は慌ててその手を隠した。
少々不審に思いながらも、リサーナはナツの隣に腰を下ろす。
「・・・私がアースランドに帰って来てから、もう一週間も経つんだね」
「おう」
さり気なく話題を話題を変えてみたのだが、ナツはやはり上の空だ。
リサーナはナツが隙を見せた瞬間に、彼の左手首を力任せに引っ張った。
「ぬぉわっ!」
そのまま引き摺られるようにして、リサーナの足に倒れたナツ。
「な・・何すんだよっ」
彼が体制を整える前に、リサーナは見てしまった。

左の薬指に通された、銀色に輝く指輪を。

「・・・・それ・・」
「べ、別に、そういう意味で付けてる訳じゃねぇからな!飾りだ飾り」
必死に否定するナツの顔は、耳まで真っ赤だった。

もう、リサーナには分かっていた。
彼の指輪が婚約指輪である事を。
そもそも、ナツは飾り物なんて付けるタイプではない。

「幼馴染の私に嘘つくなんて、良い根性してるのね」
「・・・・・」
「おめでとう」
にこやかな笑みを浮かべると、ナツは「・・・どうも」とだけ小さく返した。

ふと、リサーナから笑みが消える。
一瞬の出来事だったので、ナツは気付かなかった。

彼女が悲しそうな表情をした、ほんの一瞬に。


「私・・大きくなったら、ナツのお嫁さんになってあげようか」

幼い頃言った、あの言葉。
貴方は冗談だと受け取ったのかもしれないけど・・・
私は、本気だったんだよ?
今となっては叶いそうもない空想に過ぎないけど。

そんな心情を外に出す事無く、リサーナは再びナツに微笑みかける。
「もしかして、お相手はルーシィかな?」
「ば・・っ、でけぇ声出すな!!てか、何でお前が知ってんだよ!?」
「ただの推測だけど?」
「・・・・・・」
「ナツ・・・」

幸せになってね。

本心を告げると、ナツは今度こそ素直に「ありがとう」と言った。


私は貴方を独りにしてばかりいたけど、ルーシィならずっと貴方の傍に居てくれる・・私はそう信じてる。
だから貴方も、ずっとルーシィの傍に居てあげてね。

ルーシィなら貴方を幸せにしてくれると信じてる。
貴方を幸せにする事だけは、『幼馴染』の私には出来ない事なの。

どうか貴方とルーシィが、幸せな日々を過ごせますように。


リサーナは、うっすら浮かべた涙に気付かれないよう、そっぽを向いた。
気付かれないように。

この気持ちを、
気付かれないように・・・



終わり
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【2011/06/14 22:10】 | FT二次小説
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