主にFAIRY TAILの二次小説とオリジナル小説を書いているブログです。CP要素が含まれておりますので、苦手な方はご注意ください。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

蒼く澄み渡った青空。
銀色に輝く雲の中を、真っ白な翼を持った人型の物体が飛んでいる。
下界・・つまり人間界では到底あり得ないその光景は、この天使の世界では当たり前の風景であった。
一般的に『天界』と呼ばれているこの世界は、その名の通り天使の住む世界だ。

とある金髪の少女・・の容姿をした天使は、空中に浮かんだ小さな孤島で昼寝をしていた。

天使の住む世界と言えども、昼と夜くらいの概念はある。
時間の流れに関しては人間界とほとんど変わりは無いのだ。

ぽかぽかと春のように暖かな日差しを浴び、深い眠りについていた彼女は、突如現れたその人物に叩き起こされた。
「こんな所で何寝てんだテメェ」
鉄のように硬い拳で頭を殴られ、がつんという鈍い音が響く。
「痛っ!何するのよ、ガジル!」
あまりの痛みに飛び起きると、彼女の目の前には同じく天使・・いわば同僚のガジルが立っていた。

彼女達天使の仕事と言えば、人間界で何か大きな問題が起きていないか定期的に見回る事くらいだ。
大きな問題なんてそうそう起きるものではないし、見回りの仕事も3~4日に1回くらいなので、たいていの天使は天界で暇を持て余している。

一応、その仕事の範囲の『担当区域』も決まっていて、ガジルはルーシィの隣の区域を担当している。
その為、ガジルとは嫌でも行動を共にする事が多い。

「上から命令が出てっぞ。で、お前を呼んで来いって言われたから、ご丁寧に起こしてやったんだよ」
「だからって殴らなくても・・・。ていうか、何であたしが?命令って何?」
「うるせぇ!俺も知らねぇんだよ!」
鋭い目でルーシィを睨むガジル。
いつも思うのだが、この男は天使より悪魔の方が向いているのではないか?
「まぁとりあえず、知らせてくれてありがとね。ガジルは行かないの?」
「俺が行ってどうするってんだよ」
「はいはい。じゃ、行ってきまーす」
「さっさと行け」

このとき、ルーシィはまだ楽観的だった。
どうせ自分に下る命令など、大したものではないだろうと思っていたからだ。

しかしその命令は、今後のルーシィの運命を大きく変えるものとなる。


「失礼します。遅れてしまい、申し訳ありません」
「来たか、ルーシィ。とりあえず、中に入れ」

仕事を持つ天使達を統べるのは、『天王』と呼ばれる王様だ。
その天応直属の大臣がいる部屋にルーシィは来ていた。
天王から下る命令は、ほとんどの場合この大臣を通して知らされる。

「あの・・それで、命令とはどんな内容でしょうか」
「・・・そうだな。時間もあまり無い事だし、単刀直入に言わせてもらう」
きょとんとしたルーシィに、大臣は低い声で告げた。

「『悪魔』を捕らえてこい」

数秒の空白の後、驚きで声も出ないルーシィを見て大臣が付け足す。
「言い方が悪かった。・・・実はお前の担当区域で、ある問題が起こったんだがな」
「はい」
「・・・ジェラールという天使の事は知っているだろう?お前の学生時代の同級生であり、隣の区域を担当していて・・この間から行方不明になっていた」
急に彼の話が出て少し驚いたが、無言で頷く。

最後にジェラールと会ったのはいつだっただろう。
仕事が重なってしまう事が多く、彼とは最近あまり会っていなかった。
今度暇だから飲みにでも行こうと約束していた矢先、トラブルが会って彼は行方不明になってしまったのだ。
ジェラールの事は気に掛けていたのだが、ルーシィに何とか出来る問題でもない。

「そのジェラールが、悪魔に遭遇したらしいんだ」
「・・・・ジェラールが・・!?あ、あの、それで・・彼はどうなったんですか!?」
「分からん。それ以降ジェラールの痕跡がぱたりと消えてしまっていてな」
「・・・そんな・・」
ルーシィの脳裏に次々と嫌な考えが浮かび、その度に彼女は頭を振ってそれを振り切る。

大丈夫、ジェラールは無事だ。
彼の身に何も起きてはいない。
きっと・・・。

「だから、お前はこれから下界に降りてくれ。ジェラールの事や、悪魔について調べてきて欲しい」
「分かりました」
ルーシィは真剣な眼差しで大臣を見つめ、そして踵を返し部屋を出た。
彼女の胸の中は、不安でいっぱいだった。



続く
スポンサーサイト

【2011/07/02 16:25】 | FT二次小説
トラックバック(0) |
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿
URL:

Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。