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全体的に淡いクリーム色に塗られた校舎。
コの字に曲がった、在り来たりの形状。
広めの校庭。

その学校こそが、雨宮雫の通う高校であった。

雨宮雫は、今年で17歳になる高校2年生だ。
隣町の自宅から高校に通っている。
学力は中の上くらいだったので、偏差値もそこそこある無難なこの高校を選んだのだ。
特別な理由なんて、無い。

すっかり聞き慣れたお馴染みのチャイムが授業の終わりを告げ、生徒達は次々と席を立っていく。
「あー、終わった終わったぁ~」
「早く部活行きてぇ」
「つか、帰り学活面倒じゃね?」
「帰りたーい」

生徒達の思惑は人によって様々だ。
運動部の者は大概部活だから早く部活をしに行きたいだろうし、部活が1週間に1~2度くらいしか無い文化部の者はそのまま家に帰る者が多いだろう。
もちろん、部活に入っていない者だっている。

雫は部活に入っていない。
理由は「面倒臭いから」だ。
大してやりたい事も無いし、長々と学校になど残っていたくもない。
真っ直ぐ家に帰りたいのだ。

半分ぼうっとしながら教科書やらノートやらを鞄に詰めていると、後ろの席の亜紀が話しかけてきた。
雫のクラスの席順は、男子、女子と縦に順番に並べられている。
「雫ー、数学のノート貸してくれない?6時間目だったから睡魔に勝てなくて、つい寝ちゃったんだよねぇ」
「別に良いけど、大した事書いてないよ?」
「何言ってんの。あたしよりノート綺麗でしょー。しかもちゃんとまとめてあるしさぁ」
適当な返事をしてノートを渡すと、雫はまた正面を向いた。
亜紀もその後は1回も話しかけてこなかった。


長ったらしくて面倒な帰り学活が終わり、雫は細く暗い路地を歩いていた。

その場限りの友達。
退屈な授業。
涸れた感情。

もう学校なんてうんざりだ。

でも、この生ぬるい生活は居心地が良い。

平穏な毎日が続いていけば・・何の問題もなく続いていけば、それで良い。

そんな複雑な感情を抱きながら、乾燥した路地を歩く。
やがて、当然の事ながら全く人気がない道の奥に、人影がある事に気付いた。
(誰だろう)
不審者だったら面倒だなと思い、脇の道から大通りに戻ろうとした時だった。

不意に、頭の上を何かが掠める。
咄嗟にそれを避け、思わず後退した。

目の前に立っていたのは、白い布を被った見知らぬ者。
男か女かの判別はつかない。

その人物は懐から何かを取り出して、雫の方へ向けた。
路地全体が一瞬にして鋭い光に包まれる。
あまりの眩しさに、雫も思わず目を瞑った。
相手は雫の一瞬の隙を見逃さず、再び跳躍した。
拳を振り上げられている事に気が付いた雫は、両手で頭をガードしようとしたが、遅かった。

衝撃的な痛みが、頭部だけではなく全身を襲う。

音は無かった。

視界を埋め尽くすのは全て闇で、何も見えない。
その上、何も聴こえない。

何故自分が襲われなければならないのか、なんて考える暇は無かった。
雨宮雫の意識は、そこでぷつりと途絶えてしまったのだから。



続く
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【2011/07/10 19:10】 | オリジナル小説
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