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ここはどこだろう。
やけに明るい。

ていうか、自分は今まで何してたんだっけ。

・・・ああそうか、確か不審者っぽい人に殴られて、それで・・・

あれ、もしかして自分の人生ってこれで終わり?
何か呆気ないなぁ。
私の生涯ってつまらないものだったよね。
正直、ダサい。
殴られて死ぬとか。
非力にも程があるだろって感じ。

本当に終わっちゃったんだろうか、自分。


「終わってないから」

突然耳元で響いた低い声に、雫は驚いて飛び起きた。
「はっ!?」

目をしっかり開け辺りを見回すと、そこは天国でも地獄でもなく・・硬い石畳の上だった。
前にも後ろにも、石畳は限りなく続いている・・ように見える。
雫の横には、見知らぬ男。

「君、一応死んでないから。君の名前って何だっけ・・ああ、『雫』?」
「何故下の名前で呼ぶ」
「だって、名字知らないし」
「それより、何であたしの名前知ってるの?そもそも死んでないってどういう事だし」
質問攻めにしてやったのだが、男は何食わぬ顔で冷静に受け流した。
「うん、その辺は後で1つずつ説明するから。とりあえず、これだけ言わせて」
真剣な眼差しで見つめられ、雫は思わず頷く。
銀色の髪、そして白い軍服という妙な格好をした青年は、微笑みながらこう言った。

「異世界へようこそ、『雨宮雫』さん」

・・・・いや、異世界とか言われても。

「異世界ってどういう事?そもそも、私の名前を知ってるのは何で?」
「じゃあ、順に説明していくね」
青年は屈み込んだ姿勢を変え、よっこらせと老人臭い事を言いながら座り込む。
石畳の上に何故か爪を立てた後、「そっかこれ土の上じゃないんだ」と独り言のように呟いて指を離した。
まさか、地面に文字を書いて説明する気だったのではないだろうか。
「・・・こほん。まずその前に、自己紹介をしておくね。僕は『魔女』直属の『指導者』の1人、リミット・アーバンフォール。よろしく~」
「は、はぁ・・よろしく・・・」

今更よろしくって言われても・・ねぇ。

ていうか、『魔女』とか『指導者』って何ですか。
また妙な固有名詞が出てきたな。

「あ、『魔女』っていうのは、この世界・・『スピットギャザー』の創造主であり、支配者でもある女性の事。その『魔女』に命を受けて、連れてきた人間にこの世界の事を教えるのが僕達。だから『指導者』なんだ」
彼はさも素晴らしい事のように言うが、雫にとっては物騒な話に過ぎなかった。

『魔女』が支配者だと言うのなら、必然的にこのスピットギャザーとやらは支配された世界という事になる。
しかも、人間界から人間を連れてくる・・それは『拉致』にならないだろうか。

・・・と口に出して言ってみたかったが、雫はあえて言うのをやめた。
面倒な話をされたくもないし。

その間にも、リミットと名乗った青年は説明(多分指導)を続ける。
「で、何で君がこの世界に連れてこられたかって言うとね。それは君・・雨宮雫が、『魔法を使う素質がある』として選ばれたからさ」
「ま、魔法!?」

急にファンタジーな話になってきた。
魔法ってあれか・・箒に乗って空飛んだり、変な呪文を唱えたら対戦相手が即座にあの世行きとか、そういうやつか。

「あのさ、魔法って考えて、あの世行きとかはやめない?何か物騒だし」
「あんたが言うな。てか、何であたしの考えてた事が分かるの?」
「考えて他も何も、君が勝手に口走ってたし」

つまり、独り言を無意識に口に出してたって事か。
あたしの頭、異世界にきたせいでちょっとおかしくなっちゃったのかな。

「・・・って言うのは冗談で」
「オイ!!」
「『読心術(リードマインド)』っていう魔法でね。相手の顔を見ただけで、その人の考えてる事を読み取る事が出来るんだ」
「へぇ・・・」
「他にも魔法はたくさんあるけど、僕が得意なのは『調べる』・・『ライブラ』系の魔法かな。職業が指導者な訳だし」
「・・・それで、あたしの使える魔法は何なの?」

個人的には、透明人間になれるとかが良い。
何か面白そう。

リミットの方に身を乗り出し、瞳をきらきら輝かせて次の言葉を待っていたが、彼は困ったように苦笑した。
「ごめん、それはまだ分からないんだ。『ライブラ』は、相手が知っている情報しか分からないから」
「何だ、つまんないなぁ・・・」

「・・・・そして、君にもう1つ、言っておかなければならない事がある。魔法の、代償についてだ」

初めて真剣な表情で話し出すリミットに、雫は少したじろいだ。
「代償?」

「そう。魔法は何もしなくても使えるようになるものじゃない。魔法が使えるように・・また、より高度な魔法を使えるようにする為には・・自分の魂を売らなければならないんだ」

魂を売る?

「つまり君は、『魔女』に魂を売った事になるんだよ。売ったって言っても、その一部だけどね。でも、魂が欠けた人間はもう人間界に留まる事が出来ない。だから、君をこのスピットギャザーに連れてきたんだ。ここなら何の問題もなく生きていけるからね」

魂の一部を売ったって・・そんな勝手な。

何なんだ、『魔女』って。



続く
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【2011/07/22 22:09】 | オリジナル小説
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