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昨日の昼間いたあの公園に、エルザは訪れていた。


朝起きた時の事だ。

「・・・・ん・・」
目を開けると、真上に白い天井が見える。
(今日は何だか眠いな・・・)
もう少しだけ寝ようと思い、ごろんと横に寝返りをうった。

その瞬間見えたものは、見覚えのある顔。
ジークだった。

「!?」
いまいち状況が把握出来ていないエルザは、慌ててベッドから起き上がる。
とりあえず彼と距離を置いてみようと、ベッドから抜け出そうとしたのだ。

だがその前に、自分の身体をふと見て気付く。
全裸だった。

「なななっ!?」
声にならない叫びを上げて、慌てふためくエルザ。

やがて、昨夜の出来事を思い出した。
「・・・・・」
頬がかーっと紅く染まっていく。
そして、恥ずかしさに堪える事が出来ず、部屋を飛び出したのだった。


こうしてベンチに座っていても、まだ興奮しているのか胸がどきどきしている。

(わ、私は、心の準備がまだなんだと散々言ったんだぞ・・!なのに、なのに・・あいつが・・・)
子供でも出来たらどうするんだ。

そんな事を考えて余計恥ずかしくなっていた時、エルザの足に何かが当たった。
「あっ、お姉ちゃーん!そのボール取って~!」
公園で遊んでいたらしい見知らぬ子供が、笑顔で走りよってくる。
どうやら、子供の遊んでいたボールがエルザの元へ転がってきてしまったようだ。
「こ、こど、子供・・・」
「どうしたの、お姉ちゃん」
「あ、いや、何でもないんだ。ちょっと・・ぼうっとしていてな」
ボールを子供に渡すと、「ありがとう」と満面の笑みを浮かべて、その子供は走り去っていった。

脳裏に焼きついて離れない子供の笑顔を思い出して、エルザは微笑む。

(・・・子供、か)

ボールを取るためにしゃがんでいた姿勢から、身体を起こす。
すると、かちゃんと何かが落ちる音がした。

何が落ちたのだろうと思い、それを拾い上げたエルザの表情が一瞬にして強張った。

落ちたのは、指輪だった。

どくん、とエルザの心臓が波打つ。

グレイから貰った、婚約指輪。

こんな物を持っていて良いのだろうか。

自分はグレイ達を裏切ったのに。
自分はもう、グレイの事なんか好きじゃないのに。
今、自分が好きなのは、ジークなのに・・・

エルザは決心したように頷くと、右手の薬指から力を込めて指輪を引き抜く。
そして、それをベンチの下へ潜り込ませた。

これで、やっとあの呪縛から逃れられる。
裏切りという、大きな罪の呪縛から。

ほっとした思いで、ベンチに座り直した。


昨日結婚式が行われていた筈の場所に、人影は無かった。
金髪の天使・・ルーシィは、そっとその場所へ足を踏み入れる。

教会の中へ入ると、奥の方に神父と思しき人物が立っていた。
「・・・・おや、君は?この教会に、何の用かね」
ルーシィが話しかける前に、神父が振り向く。
少し迷ったが、正直に名乗る事にした。
「私はルーシィと言います。実は今、人を探していて。・・・この人物が昨日此処に来ていた、という情報を手に入れたんですが、本当なのでしょうか」
この写真を見せるのは、もう何回目なのだろうか。
神父は写真を見た途端、驚いたような声を上げた。

「!!この男は・・花嫁と一緒に逃げた者に似ているな・・・」

「・・・逃げた?どういう事ですか?」

「ああ・・結婚式も間近という時になって、この男・・に似ている者が現れてな。そのまま、花嫁を連れていってしまったらしい。何でも、その花嫁は抵抗もしなかったとか。・・・だけど、この写真の男とは、髪や瞳の色が違うなぁ」

それを聞いたルーシィは目を丸くし、神父に礼を言って走り出した。
教会から離れた人目の無い所まで来ると、息を切らしながら一旦止まる。

花嫁と、彼女を連れていった男が何処に行ったのかは分からない。
だから、ここは『鍵』に頼るしかない。

『鍵』というのは、天使であるルーシィの一種の能力だ。
能力は天使によって使えるものが違うが、ルーシィの場合は特殊な『鍵』を使って『星霊』という召喚獣のようなものを呼び出す事が出来るのだ。

「開け、南十字座の扉・・クルックス!!」
事情を話し、クルックスに2人の居る可能性が高い場所を教えてもらって、ルーシィはまた走り出した。

(何だか、嫌な予感がする・・!)

先程の神父の話。
ジェラールに似ているという、謎の男。
男は一体、何者なのか。

(急がないと・・!)
彼女の走るスピードが一層速くなった。



続く
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【2011/08/11 21:08】 | FT二次小説
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