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走るにつれ、水の音が近くなってきている気がする。
『第1部隊』近くの森で、オリオンも何度が足を運んだ事があったが、水辺などあっただろうか。

自分はもうこの土地に慣れているものだとばかり思っていたが、まだオリオンの知らぬ場所もあるのかもしれない。
まだオリオンの知らない、秘密も。

「・・・・オリオン」
「ん?」
オリオンと共に走り続けていたエアルが、スピードを緩めながら話しかけてきた。
「『水の剣士』が変な儀式をしてるって、キリ君は言ってたけど・・オリオンは、それがどんな儀式なのか分かる?」
問いかけられたオリオンは少し戸惑ったように目を伏せたが、しばらくして顔を上げ、真剣な目でこう言った。

「・・・おそらく、『魔力を吸い取る』儀式・・いや、魔法だと思う」

「魔力を・・吸い取る!?それに、魔法なの!?」
「ああ。『水』の魔法の一種だが・・使用は禁止されている筈だ。魔力を吸い取るという事は、場合によっては生死にも関わるしな。・・・だが、普通の『水』の剣士がその魔法を使えるのかは・・」
「『普通の』って、どういう事?」
「『魔力を吸い取る』という魔法があまりに高度すぎて、並大抵の剣士じゃ扱えないって事だ。かなり強力な魔力を持っていないと、到底無理だと言われている」
オリオンがそこまで言い終えた時、2人は前方が開けている事に気付いた。
目の前に広がっていたのは、青く透き通った泉だった。
「・・・泉なんて、この森にあったんだ」
「静かに。誰かがいる」
感心して息を漏らしたエアルの口を、オリオンが手でそっと塞ぐ。
2人は、草むらの陰から泉の様子を窺った。

泉の前に、1人の男が佇んでいた。
男の握っていた剣が、かちゃりと音を立てる。
そして、ゆっくりとこちらを振り返った。

「!!」
「この男は・・」
キリが言っていた男の特徴と、ほぼ同じだった。

振り向くと同時に男の腕が動く。
「『津波の轟き』!!」

男のあまりに素早い動きについて行けず、エアルの身体が動かない。
まるで津波のように速く破壊力の高い敵の攻撃は、もう目の前まで来ている。
怪我は免れないだろうと思いながら、エアルは目を瞑った。

が、攻撃が彼女に当たる事は無かった。

「召喚・『天の川の守護霊(ミルキーウェイ・ガーディアン)』!!」

彼女の前に光の盾のようなものが現れ、攻撃は寸前で弾かれる。
オリオンが剣魔法で守ってくれたのだ。
「ありがとう、オリオン」
「・・・エアル、お前は先に行っててくれ。ここはオレがやる」
「えっ・・・」

いくらオリオンでも、1人で大丈夫なのだろうか?

エアルは心配そうに彼の顔を覗き込む。
彼女の心情を察したように、オリオンは優しく微笑んだ。

「オレは絶対に大丈夫だから、・・・行け」

それを見たエアルは無言で頷き、泉の奥へと走り去っていく。
エアルの姿が見えなくなっていくのを確認してから、オリオンは男の方へ向き直った。
「今のは、『水』の剣魔法か」
彼の質問への答えの代わりに、男は小さく笑った。
そして、もう一度腕を横に振る。

「『海の大異変(オーシャンブルー)!!』」

オリオンの前に現れたのは、海だった。

「なっ・・」

ザバザバッという豪快な音を立てて、彼へと波が押し寄せる。
辛うじてそれを避け、剣を前に突き出した。
だが、波を振り払う事は出来ない。

(くそ・・目くらましのつもりか・・!)

波が荒いせいで、男どころか泉の景色さえも見当たらない。
手当たり次第に剣を突き出して何度も振ってみるが、やはり効果はなかった。

何なんだ、この魔法は・・!


「・・・はぁ、はぁ・・」
「大丈夫か」

あれからずっと走り続けていたミレアとルーヴは、森から遠く離れた草原でしばしの休憩を取る事にした。
まだ、ルーヴの傷もずきずきと痛む。

「わ、私は大丈夫です・・・。それより、ルーヴさんの傷の手当てをしないと・・・。泉の水は汲んであるので、これを傷口にかければ大丈夫ですよ」
「そういえば、結局手当てが出来ていないんだったな」
「もう・・自分の事なんですから、忘れられちゃ困りますよ」
「すまない」

さすがに、年頃の女の子に腹部を見せるのは少し抵抗があったし、彼女もやり辛いだろうと思ったので、自分で手当てをする事にした。

水はまだ冷たさを保っていて、傷口に沁みる。

手当てをしている間、ミレアは別の方向を向いていた。
やっぱり、彼女が手当てをするのは嫌だったらしい。

それが終わると、ルーヴはさっと立ち上がった。
「また、あの男が追ってくるかもしれない。そろそろ歩こう」
「・・・・ルーヴさん」
ミレアは立ち上がろうとはせず、神妙な面持ちで口を開いた。
「?」
彼女の雰囲気に気付き、ルーヴはまたその場に座る。
ルーヴの動きを確認してから、ミレアは手の平を握り締めながら言った。

「あの男は・・あの人は、私の兄なんです」



続く
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【2011/08/15 21:57】 | オリジナル小説
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No title
LandM
水の魔法を使う剣士というのも珍しいですよね。
水の究極の魔法の一つとして他人の血を操ることっていうのがありますよね。ある意味この魔法が使えると対人に関しては無敵を誇りますからね。そういうバトルマンガもありましたね・・・ということを思い出しましたね。

Re: No title
mimi346
いつもコメントありがとうございます^^

他人の血を操る、ですか・・面白いですね。
以前、似たような魔法を何処かで登場させようかと思っていたんですが、グロテスクなものになりそうなのでやめました(^^;
『エターナル・ソード』の世界観には合わないかなぁ、と思ったので。

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コメント
この記事へのコメント
No title
水の魔法を使う剣士というのも珍しいですよね。
水の究極の魔法の一つとして他人の血を操ることっていうのがありますよね。ある意味この魔法が使えると対人に関しては無敵を誇りますからね。そういうバトルマンガもありましたね・・・ということを思い出しましたね。
2011/08/22(Mon) 08:31 | URL  | LandM #19fPlKYU[ 編集]
Re: No title
いつもコメントありがとうございます^^

他人の血を操る、ですか・・面白いですね。
以前、似たような魔法を何処かで登場させようかと思っていたんですが、グロテスクなものになりそうなのでやめました(^^;
『エターナル・ソード』の世界観には合わないかなぁ、と思ったので。
2011/08/22(Mon) 21:24 | URL  | mimi346 #-[ 編集]
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