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「エルザ、こんな所にいたのか」

突然声を掛けられ、驚いて顔を上げると、すぐ傍にジークが立っていた。
「ジーク・・・」
「全く・・お前はいつも、1人で勝手に行動して・・」
「別に良いだろう、私の勝手だ」
少し膨れっ面になりながら反論すると、ジークはエルザを後ろからぎゅっと抱きしめた。
「良くない。心配するだろ」
「・・・・悪かったな」
罰が悪そうに、そっぽを向くエルザ。
彼女の頬がほんのりと紅い。

(心配する、なんて・・・)
自分を大切に思ってくれているみたいで、嬉しかったのだ。

「ああ、そうだ」
ジークは思い出したように呟くと、ポケットをがさがさと探り始める。
そして、片手でエルザの両目を隠した。
「な、な・・何なんだ」
「良いから、ちょっと目を瞑ってろ。俺が良いって言ったら、目を開けても良いから」
「・・?」
しぶしぶ彼に従い、目を閉じる。
それを確認すると、ジークはそっと彼女の手を取った。


「・・・・もう良いぞ」
「一体何をしてたんだ」
目を開けると同時に、左手に何か違和感を感じた。
恐る恐る、左手の方へ視線を向けてみる。

するとそこには、鈍く光る銀色の指輪がはめられていた。
それも、薬指・・左手の薬指に。

「・・・まさか、結婚、指輪っ・・!?」
「正解。・・・俺もはめてるぞ、ほら」
差し出されたジークの左手を見てみると、エルザと同じ薬指に指輪がはめられていた。
・・・全然気が付かなかった。

急に改まった顔になって、ジークがエルザの手をぎゅっと握る。

「結婚してくれ、エルザ。・・・ささやかで良いんなら」

「何を言ってるんだ・・良いに決まってるじゃないか」
涙目になりながらエルザが頷くと、ジークは珍しく素直に「ありがとう」と言った。

「ところで・・この指輪を見て、何か気付かないか?」
「気付くって言っても・・あっ!私の指輪に付いている石が、青色・・?」
「そうだ。俺のほうは赤。エルザの髪の色だ」
そこで、エルザはふと疑問に思った。

私の髪の色は確かに赤だが、何故彼は紫色の髪なのに青色なのだろう?

エルザの疑問に気付いたのか、ジークは苦笑しながら説明を始める。
「紫色の石の指輪が、ちょうど店に無くてな。エルザと同じデザインの指輪が良かったし、俺の目の色は群青色だから・・似たような色だし、青で良いかって」
「そうだったのか。・・・ありがとう。この指輪、気に入った」
「エルザの好みそうなデザインだと思ったんだよな」
「分かったように言うな・・全く」
2人の笑い声が、しんと静まった公園に和やかな雰囲気を作る。

だがしばらくして、エルザが急に真顔になった。
「なぁ、ジーク」
「ん?」

「私には、婚約者・・グレイがいた。だけど、私はもう、過去は捨てる事に決めたんだ。グレイの事も、実家も、何もかも・・全てを。・・・だからジークも、今までの事は全部、忘れてくれないか?」

身勝手な頼みなのは分かっている。

でも、どうしてもそうして欲しかった。

互いの過去は、無かった事にして欲しいのだ。
だって、私はすでに過去を捨ててしまったのだから。
ジークにも同じようにして欲しい。

「今更、何言ってんだ。俺は全てを捨てる覚悟でエルザを連れ出したんだ。だから、お前が心配する事は何も無い。俺は、絶対にお前を裏切らない。約束する」

「・・・うん。ありがとう」
エルザが微笑むと、ジークも儚い影を見せながら微笑み返した。
2人は、互いの左手を握り合う。


後悔なんてしていない。

こうして手を繋ぎ合えば、互いの過去なんて簡単に消し去れる。

自分達が今見ているのは、未来だ。

幸せな未来が待っているのならば、君に溺れて堕ちたって構わない。

彼らは、そう信じていた。



続く
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【2011/08/18 21:09】 | FT二次小説
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