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「あの男は・・あの人は、私の兄なんです」

「兄・・!?」
驚き目を丸くするルーヴ。
そこで、1つ気付いた事があった。
「じゃあ、家族と喧嘩したっていうのは・・」
「はい・・・。兄と喧嘩・・というより、逃げるしかなかったんです」
ミレアの瞳から光が消え、代わりに雫が零れ落ちる。

「・・・兄は、本当は・・『水』の剣士長の後継者になる筈だったんです・・・。でも、何故か・・私が後継者になっちゃって、それで・・お兄ちゃんは、私から魔力を・・吸い取ろうと・・・」

「魔力を吸い取る・・まさか、『水鏡の願い』・・『ミラーオース』!?それに、君は剣士長だったのか・・・」
「・・・・・・」
こくんと涙を零しながら頷くミレア。
「だが・・『水鏡の願い(ミラーオース)』は、禁じられた魔法の筈だ。君の兄が使っているのだと知れたら、大変な事になる」

『水鏡の願い(ミラーオース)』は、かつて罪を犯した魔法使いから、罰として魔力を吸い取るために開発された魔法だった。
しかし、その魔法を習得した者が悪用するケースが増え、いつしか『禁忌の魔法』として使用を制限されるようになっていた。

そのせいなのか、それとも『魔法使い』と呼ばれた者達が力を失っていったからなのか・・ほとんどの魔法剣士が、今は『禁忌の魔法』を使えないであろう。
もとより、『魔法使い』が『魔法剣士』へと衰弱していったのも、魔力が衰えたせいなのだ。

ミレアは緊張で引きつった表情で、またも頷く。
「分かっています・・・。お兄ちゃんは、私から魔力を吸い取って・・自分が剣士長になろうと目論んでいるんだと思います」

(そうか・・だから公園で『儀式』を・・・)
ルーヴは心の中で小さく舌打ちをする。

そんなに権力が欲しいのか。
権力の為ならば、実の妹をも犠牲にするのか?

「・・・ん、ちょっと待ってくれ。それなら、何故俺の魔力を吸い取ろうとしたんだ?」
「それは、分かりません・・・。そこまでは・・・」
役に立てなくてごめんなさい、と謝るように頭を下げるミレアを制止してから、ルーヴが呟く。

「・・・君は、兄の事は・・好きか?」
その問いかけにミレアは一瞬固まったが、数秒後に答えを紡ぎ始めた。

「・・・・好き、です。あの、恋愛感情とかそういうのは無しで」

「本当に?」

「そ、そう言われると・・何というか、言い辛いんですけど・・・。多分、こんなにひどい事されても、やっぱり兄は兄ですから・・家族ですから、好きなんだと思います・・?な、なんか言葉がおかしいですよね、すみません」

「そうか・・・」
意味深なルーヴの表情に気付いたミレアは、思い切ったように彼に尋ねた。
「あの、ルーヴさんには、兄弟とかいるんですか・・?」
「・・・いる。兄が1人」
「好きですか?お兄さんの事」
先ほどルーヴが問いかけた質問を、今度がミレアが問う。

その瞬間、ルーヴの瞳が今まで見た事がないくらい鋭く光ったように見えた。

「嫌いだ」

彼の顔を見て凍り付いてしまったミレアに気付き、我に返ったルーヴは慌てて付け足す。
「・・・君の兄と同じように、俺の兄は『水』の剣士だった。しかも、君から聞いた話だと、君の兄と奴はよく似ている。・・・だから、俺は兄が嫌いだ・・」
「『奴』なんて言っちゃ駄目ですよ。いくら嫌いでも、兄なんですから」
「・・・・そうやって、自分の兄を好きになれる君が羨ましい」
ルーヴは笑った表情を作ったつもりだったが、本当に自分は笑っていたのだろうかと疑問に思った。


「召喚・・『聖なる竜(ホーリードラゴン)』!!」

「!?」

海の激しい波に飲み込まれていた筈の騎士長が、いつの間にか男の前に立っていた。
白銀の竜と共に。

「なるほど・・攻撃力を上げる魔法を使ったのか。なかなかやるな」
「騎士長を・・白騎士を甘く見るな。人を散々傷つけておいて、よくそんな口が聞けるものだ」
男はふんと鼻を鳴らし、次の魔法を発動すべく手をかざした。

「な・・まさか、これは・・!?」
「仕方ない。強制的に魔力を奪わせてもらう」

オリオンの前に現れたのは、巨大な『水の鏡』だった。



続く
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【2011/08/26 22:30】 | オリジナル小説
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No title
LandM
能力や魔力を吸い取るというのはドレインの魔法ですね。
結構そういうのは取り扱いが難しい・・・という話もありますよね。吸い取るというと便利がいいですけど、他人の魔力を吸い取るわけですから、自分の魔力と他人の魔力が融合してツギハギだらけになって暴走してしまったり、衰弱してしまったりと取り扱いが大変・・・という話もありましたね。今回は兄弟ですから、あまりそういうこともないか。


Re: No title
mimi346
コメントありがとうございます^^

本家?のFFの方はほとんどプレイした事が無かったので調べてみたのですが、なるほど・・『ドレイン』という魔法がFFにあったんですね。
馬鹿ですみません(汗)
打ち消しの文・・・・結構使え無そうな魔法な気が・・・

確かに同じ『光』属性の魔法を使う者の魔力なら大丈夫な気がしますが、なりふり構わず吸い取っていたら人体に影響が出てしまいますよね・・・。
ミレアの兄は一応馬鹿ではないので、何か考えがあるんだと思います(^^;

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この記事へのコメント
No title
能力や魔力を吸い取るというのはドレインの魔法ですね。
結構そういうのは取り扱いが難しい・・・という話もありますよね。吸い取るというと便利がいいですけど、他人の魔力を吸い取るわけですから、自分の魔力と他人の魔力が融合してツギハギだらけになって暴走してしまったり、衰弱してしまったりと取り扱いが大変・・・という話もありましたね。今回は兄弟ですから、あまりそういうこともないか。
2011/08/29(Mon) 07:55 | URL  | LandM #19fPlKYU[ 編集]
Re: No title
コメントありがとうございます^^

本家?のFFの方はほとんどプレイした事が無かったので調べてみたのですが、なるほど・・『ドレイン』という魔法がFFにあったんですね。
馬鹿ですみません(汗)
打ち消しの文・・・・結構使え無そうな魔法な気が・・・

確かに同じ『光』属性の魔法を使う者の魔力なら大丈夫な気がしますが、なりふり構わず吸い取っていたら人体に影響が出てしまいますよね・・・。
ミレアの兄は一応馬鹿ではないので、何か考えがあるんだと思います(^^;
2011/08/30(Tue) 21:32 | URL  | mimi346 #-[ 編集]
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