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オリオンの前に立ちはだかった『水の鏡』。

それを目の前にして、彼は呆気に取られていた。
「・・・・これがあの、魔力を吸い取るという・・」
「そうだ。・・・そろそろ、動けなくなってきただろう」
「!?」

言われてみて初めて気が付いたが、いつの間にか体が動かなくなっていた。
オリオンの身体中に、透明な糸のようなものが巻きついている。
原因はこれだろうか。
そしてその糸は全て、『水の鏡』と繋がっていた。

「・・・始めるぞ」

(まずい・・!)

このままでは魔力を吸い取られてしまう。
19年間ずっと溜めてきたこの魔力、まんまと吸い取られて堪るものか。

オリオンは咄嗟に何かを口走った。
それは剣魔法を発動する為の呪文だった。

「『太陽の光剣(バトル・トパーズ)』・・!!」

「!!」

彼が手にしていた剣がオレンジ色に光る。
ほとんど動かない腕を力いっぱい振り、右腕に絡み付いていた糸を断ち切った。
瞬間、透明な糸達は瞬く間に消え、きらきらと輝くダイヤモンドダストのような光だけが舞っていた。

(これが、白騎士長の力・・・)
一瞬の光景に男は思わず目を瞠る。

「面白い」
微笑して、男もまた手をかざし、片方の手で短剣を握った。

「『青き水の守り神(サファイア・ラストカード)』!!」

同時に、青い閃光が辺りを迸る。
まるでレーザーのように、大地を破壊していく光。
地面はひび割れ、溝が出来ていく。

ついには木々までも破壊し、オリオンの背後に倒れかけた大木が迫る。
「・・っ!!」
ぎりぎりでそれをかわし、男の元へ駆け寄ろうとした。

だが、その前に彼の足元に溝が出来てしまう。
これでは男へ近付こうにも近づけない。
それに、辺りの木々も次々と倒れてきている為、このままでは生き埋めになってしまう危険性もある。

だが、諦める訳にはいかなかった。

オリオンは間合いを図って方向転換し、今まで背にしていた泉の方へ向かった。
泉への道は辛うじて残っている。

「何をする気だ!?」
彼の予想外の行動に、男は呆然と立ち尽くす。

「召喚・『導かれし山犬(シルバードッグ)』!!」

今度は剣が銀色に光りだす。
それを確認してから、オリオンは剣を思い切り泉に叩きつけた。

すると、尋常ではないくらいの水飛沫が上がった。
泉の水を全て蹴散らしてしまったのではないか、と思ってしまう程の量だった。

「ありえん・・!!」

水が男にかかる寸前、掠れた声で呟く。

そして、泉の水は男を飲み込んだ。

辺りは池のようになり、泉の風景など欠片も残っていなかった。
底へと沈んでいく男。
オリオンは水中に潜り、男の身体を地上へと引っ張り上げた。

「ぷ、はっ」
「がふ・・っ、げほっ、げほっ」
2人は池と化した泉の水の中を泳ぎ、何とか岸となった部分へ辿り着く。
しばらく彼らは声も出さなかったが、やがて男が先に口を開いた。

「・・・・ふっ、くく」
男は笑みを口元からこぼす。
「・・・・・」
彼の様子を無言で見つめるオリオン。

「・・・やられた、ものだな・・。やはり、誰からも魔力を奪う事は出来ないのか、俺は・・・。・・・せめて、妹だけは助けてやりたかったのに・・・」

『妹を助けてやりたかった』とは、どういう事なのだろう。
魔力を奪うのに、助けるも何もあるのか。

「何故、魔力を奪おうと思った?」
オリオンがずっと抱いていた疑問を問うと、男は力なく笑った。

「・・・・本当は、あいつから・・妹から、魔力を取って・・俺が剣士長になる、つもりだったんだ・・・。そうすれば、あいつは救われる、苦しまずに済む・・そう思って。・・・はは、今考えてみれば・・愚かだな、俺は。実の妹から、魔力を吸い取ろうなど・・・」

「妹・・?お前の妹が、剣士長・・?・・・では、それは『ミレア』という少女の事か!?」
「・・・そうだ・・。あいつには、酷い事をしてしまった・・・」
男の目にうっすらと涙が浮かぶ。

彼は、実の妹の事を心の底から憎んでいるという訳ではないのか。

「ならば、今からお前の妹・・『水』の剣士長の元へ行って、事情を説明し・・」
「それは無理だ」
「!?何故・・」

「ミレアを狙う者は、俺の他にまだいる。まずはそいつらと、戦わないと・・・。呑気に話している場合じゃない」

予想もしなかった言葉だった。
オリオンはすぐに立ち上がると、男の腕を肩にかけて支えながら、出来る限りのスピードで歩き出した。

少女が、危ない。



続く
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【2011/09/04 21:15】 | オリジナル小説
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No title
LandM
魔力を吸い取るのはいいですけど、全部吸い取ると吸い取ったほうが魔力を制御できなくなってオーバーヒートを起こしそうな気がするな~~と思っているのは私だけでしょうね。。。はい。

どうにも以前読んだ本の影響でそれを思ってしまいますね。吸収するたびに、ツギハギだらけの魔力、吸収するたびに人格が揺さぶられてツギハギに人格、自分を自分と認識できなくなる。。。それでも守りたい者のために戦う・・・。

意外に吸収という魔法も便利にできていないな・・・・思わせる作品でしたけど。


そんなこと言ってる場合ではないぐらいピンチピンチな状態ですね。続きが気になりますね。

Re: No title
mimi346
いつもコメントありがとうございます^^

なるほど・・そんな考え方もあるんですね。
それはそれで面白いですね・・!
(本当にやったらパクリにしかなりませんけど)

物語上、吸い取らせちゃいけないので出来ませんでしたが・・本当に魔力を吸い取っていたらどうなっていたんでしょうね・・・。

何はともあれ、作品を待っていてくださるようでとても嬉しいです!
テスト中で更新が出来ないので、もうしばらくお待ちいただければ幸いです。


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この記事へのコメント
No title
魔力を吸い取るのはいいですけど、全部吸い取ると吸い取ったほうが魔力を制御できなくなってオーバーヒートを起こしそうな気がするな~~と思っているのは私だけでしょうね。。。はい。

どうにも以前読んだ本の影響でそれを思ってしまいますね。吸収するたびに、ツギハギだらけの魔力、吸収するたびに人格が揺さぶられてツギハギに人格、自分を自分と認識できなくなる。。。それでも守りたい者のために戦う・・・。

意外に吸収という魔法も便利にできていないな・・・・思わせる作品でしたけど。


そんなこと言ってる場合ではないぐらいピンチピンチな状態ですね。続きが気になりますね。
2011/09/10(Sat) 10:43 | URL  | LandM #19fPlKYU[ 編集]
Re: No title
いつもコメントありがとうございます^^

なるほど・・そんな考え方もあるんですね。
それはそれで面白いですね・・!
(本当にやったらパクリにしかなりませんけど)

物語上、吸い取らせちゃいけないので出来ませんでしたが・・本当に魔力を吸い取っていたらどうなっていたんでしょうね・・・。

何はともあれ、作品を待っていてくださるようでとても嬉しいです!
テスト中で更新が出来ないので、もうしばらくお待ちいただければ幸いです。
2011/09/11(Sun) 22:32 | URL  | mimi346 #-[ 編集]
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