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ドォン、という何かが破裂したような音。
その音は、ジークの耳にも届いていた。
「!?」

(今の音は何だ・・!?)

彼が売店で飲み物を買い、公園に戻ってくる途中の出来事だった。
缶を抱え、エルザがいる筈の公園へと走り出す。
妙な胸騒ぎがしていた。

どうか、無事でいてくれ。


「エルザ!!」

公園に着くと同時に、抱えていた缶を草むらに放り投げて、彼女の姿を探した。
何処にも見当たらない。
先程いた辺りにも彼女はいなかった。
「エルザ、何処にいるんだ!?」
必死に草むらを掻き分けていると、やっと彼女の姿が見つかった。
草の上に横になっている。

何だ、昼寝をしているだけか。

「エル・・」
声を掛けようとした瞬間、何か違和感に気付いた。

彼女の胸についている赤いものは何だ?

赤黒い。
血?

いや、何故エルザが血なんて胸に付けているんだ。
おかしい。

何故お前は、そんなに顔が青白いんだ?

ジークの頭が混乱する。

その間にも、彼女はぴくりとも動かない。
微動だにしない。

まさか、

死・・

「エルザっ!!」

彼女の肩を掴んで揺すってみるが、やはり体は動こうとはしなかった。
恐る恐る口元に耳を当ててみると、エルザが息をしていない事が分かった。

本当に、死んでしまったのか?

だって、ついさっきまで・・あんなに楽しそうに、嬉しそうに、笑っていたのに・・・。
もう笑ってはくれない。
エルザの瞼はもう、開かない。

一体誰が、こんな事を。

・・・いや、そうじゃない。

どうして、エルザが死ななければならないんだ。
こんな事になるなら、エルザを置いていくんじゃなかった。

俺のせいだ。

ごめん・・ごめんな、エルザ。

あの日から・・彼女を連れ出したあの日から、悪いのは全て、俺だったのに。
だから、このままじゃ終わらせない。

大丈夫だ。
罪は全部、俺が償うから。

「俺の、4つ目の願いを、叶えてほしい」

彼がそう呟くと、それに答えるようにぼんやりと人影が現れ、こう尋ねた。
「覚悟は出来てるな?」
「・・・ああ」
ゆっくりと彼は頷くと、エルザに向かって笑いかけた。


・・・・あれ。
何だか、やけに明るい。
私は確か、ジュビアに撃たれて死んだんじゃ・・

ああ、ジークの姿が見える。
助けに来てくれたのか?

・・・違う。
ジークじゃない。
お前は・・そうだ、お前の名は・・・

『エルザ・・聞こえるか?』

頭の中に響く彼の声。

もちろんだ。
聞こえる。

『俺の本当の名は、ジークじゃない。もう分かるだろう?』

そう、お前はジークじゃない。

その青い髪、青い瞳・・・

お前は、ジェラールだ。

全く、何故今まで隠していたんだ。
右頬に変な紋章まで付けて。

・・・やっと逢えた。
ジェラールに。

そう思った瞬間、ジェラールの身体が薄く消えかけ始めた。

ジェラール?

『俺はもうすぐ、消滅する』

消滅?
どうして?
やっと、逢えたのに。

『・・・良かった、最後にエルザを助ける事が出来て。今まで、ずっとエルザを不幸にしてばかりだったから』

そんな事ない。
不幸に、なんて。
私はお前がいたからこそ、幸せでいられたんだ。
だから、頼む。

消えないでくれ。

『心配しなくて良い。エルザの命は、必ず救うから』

私の命なんて、救わなくて良い。

だから、消えないで。

エルザの悲痛な叫びは、ジェラールに届かない。

ジェラールは、左目から一筋の涙を流しながら、微笑んだ。
次の瞬間、彼の身体は一気に消えていく。
直前に、ジェラールはこう言い残した。

『逢えて良かった、エルザ。・・・ありがとう』

同時に、

パリィン。

ガラスが割れるようにして、彼は完全に・・消滅した。

中空から、ひらりと黒い羽が舞い降りてくる。

地面には、赤い石が付いた指輪。

「・・・・ジェ、ラー・・ル」

消え去ってしまった。

自分の命と引き換えに、
エルザの命を救って。

何で・・何で、私の命なんか・・救ったんだ・・!?
そんな事しなければ、彼は・・ジェラールは、生き延びていられたのに・・!

嫌だ。

ジェラール、消えるな。

置いていかないでくれ。

私を・・1人に、しないでくれ・・!

「ジェラァァルゥゥっっ!!」

公園に、彼女の絶叫だけが寂しく木霊した。



続く
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【2011/09/06 21:49】 | FT二次小説
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