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ジェラールが消滅してから、数十分が経過している。

エルザも精神的には大分落ち着いてきたが、あれだけ盛大に泣きじゃくった分、何かが麻痺したようにしゃくりが一向に止まらない。
瞼が腫れ上がっているせいだろうか、狭くなってしまった視界の隅に、ぼんやりと少女の姿が浮かび上がった。
「・・・?」
訝しげにそちらへ目をやると、金髪の少女がいつの間にか近くに立っていた。

どこかで見た事のある顔だ。

何となくそう思い、記憶を辿っているうちに、その疑問の答えは見えた。
「君は、昨日会った・・・」

「ルーシィです。本名は、ルーシィ・ハートフィリア」

エルザの言葉を遮り、ルーシィと名乗った少女は、にこっと笑みを浮かべる。
彼女の表情からして、悪い人間ではなさそうだなと、何の根拠もなく思った。

「・・・・そういえば、君・・ルーシィ・・さんが探していた人物は、見つかっ・・」
何かを思い出したのか、エルザの問いかけが途絶える。
対してルーシィは、「『ルーシィ』って呼び捨てで良いですよ」と呑気な事を言いながら、懐から1枚の写真を取り出した。

「この人を、見た事・・ありますよね?」

自身のある声で尋ねたルーシィの表情は、何処か悲しそうだった。
エルザは両手で口元を押さえ、声を震わせながら俯く。

「・・・・忘れて、いたんだ・・っ。何故忘れていたのか、自分でもよく分からない・・こんなに、大切な人を・・何故・・・」

またエルザが泣き出してしまったので、ルーシィはせめて彼女が過呼吸にならないようにと、背中を擦ってやる。

ルーシィもエルザと同じ『残された』立場である分、悲しみを共有できてしまうのが、今は辛かった。

それにしても、何故エルザはジェラールの事を忘れてしまっていたのだろうか。

忘れてしまうほど彼が軽い存在だったとは思えないし、かといって、彼女が嘘をついているようには見えない。

よく分からないが、これは大臣たちに報告しておくべきだろう。
ルーシィは密かにメモを取った。

その間に、エルザも落ち着いたらしい。
落ち着くの結構早いな、この人。

「・・・・それで、私の方もルーシィさ・・ルーシィに聞いておきたい事があるんだが」
「はいはい、何でしょう」

「お前とジェラールは、一体何者なんだ?」

鋭い質問に、ルーシィは一瞬ぎくりと身を強張らせた。
それでも何とか平静を保ち、逆にエルザに問う。
「何者、とは?」
「・・・何というか、お前たちは・・その、人間離れしているというか・・何かが私たち人と違う気がするんだ」
彼女自身もよく分からないのか、言葉を濁す。
エルザの勘の鋭さに、ルーシィの笑みが若干引きつった。

どうしよう。

なんて説明すれば良いんだろう。

『天使』の存在を、勝手にぺらぺら喋るのは良いとは言えない。

どうすれば。

2人の間に気まずい空気が漂い始めていた時。

ガシャン。

突然大きな音が響き、その場の空気が一気に緊迫したものとなった。
ルーシィが音のした方へ視線を向けると、公衆トイレの中から黒いオーラがに滲み出ている事が分かった。
「何だ、あれは・・!?」
「さ、下がってて!!」
エルザを自分の背で庇いながら、黒いオーラを鋭く睨みつける。

まさか、悪魔が仕掛けた罠か何かだろうか。

そう、悪魔がこの近くにいないという保証はまだ無いのだ。

ぞくりと冷たいものが背筋を走る。

まずい。
逃げなければ。

ルーシィの中で危険信号が赤くちかちかと点滅する。

だけど、この場所には普通の人間・・エルザがいるのだ。
下手に動いたら、彼女が危ない。

黒い靄のようなオーラは、少しずつ・・しかし確実に、2人に迫っていた。



続く
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【2011/10/04 22:03】 | FT二次小説
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