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「・・・・あれから3日、か・・・」

ルーヴは青い空を仰ぎながら、3日前の出来事を思い出していた。


「では、お世話になりました」

医務室での傷の治療が終わったアスレは、ミレアと共に自分の部署へ帰ろうとしていた。
「・・・もう行くのか?」
「ああ。そろそろ戻らないと・・な」
少し名残惜しそうに、アスレは笑った。
「お、お世話に・・なりました」
口ごもりながらも、懸命に言葉を紡ぐミレア。
片時も兄の服の裾を離そうとはしない。
そんな少女の頭を、兄は苦笑しながら優しく撫でた。

どうでも良い推測だが、この兄は少し妹に弱すぎるのではないか。
良く言えば、妹思い。
悪く言ってしまうと・・ただのシスコン。

そんな失礼な事を考えていたルーヴは、肩を震わせながら吹き出さないように耐えていた。
アスレの表情が緩みすぎて、可笑しかったのだ。

「これから、どうするんですか?」
ルーヴの様子には気付かずに、真面目な表情でエアルが一歩前に出る。
「とりあえず、帰ってから考える。この後、俺自身がどうなるのかも分からないしな」

理由はどうあれ、彼が罪を犯した事に違いはない。
最悪の場合には、『水』の剣士の部署から追放されるかもしれない。

それに、先日ミレアを襲ってきたロボットの正体さえ掴めていないのだ。
このままこの場所に留まっていれば、また敵が襲ってくる可能性がないとは言えない。

一刻も早く帰らなければならない、という彼の気持ちはよく分かった。

しかしエアルたちは、内心もう少しここに居て欲しいと思っていた。

特にルーヴは、『古代魔法』についてもっと尋ねたい事があるようだ。

「・・・今回は、色々とありがとう。お陰で、こうして妹と和解する事ができた」
「良かったな・・・」
少しだけ、ルーヴの表情が曇った気がした。
ミレアも彼の心境を悟ったらしく、そっと視線を外す。

ふとアスレは、女医師の方へ向き直った。

「・・・・・・」

そのままアナをじっと見つめる。

「?」

怪訝そうに眉を寄せるアナ。
我に返ったアスレは、困ったように言った。
「・・・・すみません、何でもないです」
「??」
さらに訳が分からない、とアナは拗ねたように頬を膨らませた。

「・・・ああ、そうだ。キリ君・・だったよな?」
「え?あ・・はい」
自分に話が振られるとは思っていなかったらしく、キリは少し驚く。

「君は、本当に『水』の剣士としての素質を持っている。・・・もし君がもう少し大きくなって、その道へ進みたいと思ったのなら・・いつでも歓迎するよ」

「あ、ありがとうございます」
アスレに向かってぺこぺこ頭を下げるキリ。
今まで兄の陰に隠れていたミレアが、少しだけ顔を出して、にこっと笑った。

「私も、待ってます」

少女の真っ直ぐで可憐な笑みを見て、キリの顔から蒸気が噴き出してきた。

「あの、お兄さん!僕、『水』の剣士になります!絶対何があっても命を懸けてなります!!」

「は、はぁ・・・。是非とも」
急にやる気を出し、アスレの手を握ってきたキリに、彼は不思議そうな顔をしながら少年の手を握り返した。

「・・・・脈ありだね、ありゃ」
「アスレさん、気付いてないんですね」
「多分、鈍いんだろうな」
「キリの事、言わない方が良いだろうな。知らぬが仏、というやつだ」
「うん。知られたらキリの命が危ないからね。あたしも、絶対何があっても命を懸けて、この真実を隠すよ」
アナ、エアル、ルーヴ、オリオンの4人が一斉に吹き出す。
キリとミレアは訳も分からぬままつられて笑い、アスレだけがきょとんとしていた。


「・・・・ルーヴ?」

後ろの扉から入ってきた人物が、声を掛けてきた。
その声でルーヴも我に返る。

「エアル・・・」
「・・・皆、ここに居るの好きなんだね」
まぁ私もよく来るんだけどね、と彼女は照れたように笑う。

多分、彼女もこの書物室を訪れる事が多いのだろう。
そういえば、オリオンがここに来ているのを見た事がある。

ルーヴと同じで、この場所にいると落ち着くからだろうか。

またぼんやりと感慨に耽っていると、エアルが話題を変えた。

「ルーヴにも、お兄さんがいるんだよね」

「・・・一応、な」
言葉を濁したルーヴに苦笑しながら、エアルは窓の外を見た。
普段なら騎士たちが訓練に励んでいる中庭は、休憩中だからなのか、誰も外に出ていなかった。

「いつか・・仲直りできると良いね、ルーヴも。ミレアちゃんみたいに」

そんな事を言われるのは初めてだったので、正直驚いた。
何も返す言葉が浮かんでこない。
「・・・・・」
ただ無言で、エアルと同じように外を見つめるルーヴ。

彼の様子をちらりと横目で見て、このときエアルは願った。

ルーヴが、もっと笑顔を作れるようになりますように。



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【2011/10/10 18:16】 | オリジナル小説
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