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天使のルーシィ、そして人間であるエルザに近付いてくる、邪悪な気配。

もはや、迷っている暇はない。

ルーシィは覚悟を決めると、腰のベルトに下げてあるホルダーから1本の鍵を取り出した。
かちゃり、という何処か凛とした音と共に突きつけられた聖なる鍵を見て、黒いオーラが一瞬怯んだように動きを止めた。
チャンス、とルーシィは一歩踏み出し、星霊を呼び出す。

「開け、人馬宮の扉・・サジタリウス!!」

彼女が突き出した鍵の先に、馬の被り物を被った人(?)のような者が出てきた。

天使が行使する『能力』の一端を初めて目にしたエルザは、驚きを隠せない様子だった。
「馬・・いや、人が・・!?あの馬の被り物は生きているのか・・?」
「目の付け所が違うわよっ!!ていうか、今それどころじゃないから!!」
サジタリウスに目で合図をすると、彼(?)は遠距離から敵に向かって無数の矢を放った。

だがその瞬間、敵は禍々しい魔力を一気に溢れ出させ、攻撃を繰り出してきた。

人の形をした黒い影は、その身体に炎を纏い、サジタリウスの撃った矢を易々と薙ぎ払った。
灰と化した矢の残骸が、地面にぽとりと落ちる。

炎を纏ったまま、今度はルーシィたちに向かって襲いかかってきた。
螺旋状の炎が、ドリルのように回りながら迫ってくる。

「!!」
「やばっ・・」

あんなものを食らったら、いくら天使のルーシィでも無事では済まない。
もちろんの事、エルザも。

しかし今のルーシィたちには、身を守る術など何も無く、ただその場に突っ立っているしかなかった。

(駄目だ・・やられる・・!!)

目を瞑り、衝撃に備えていたその時。

「『鉄竜剣』!!」

何処からともなく降ってきたその声と共に、炎がルーシィたちに当たる直前で、それは遮られた。

そっと目を開けてみると、目の前に巨大な鉄の剣が振り下ろされていた。
何かが焦げて焼ける匂いがする。
どうやら、その剣が炎から守ってくれたらしい。

こんな魔法を使うものは、1人しか思い当たらない。

「ガジル!!」

「危なかったな」
ガジルは大きく溜め息をついて、敵がいた場所に目をやる。

そこにはもう、あの邪悪な気配はなかった。
ガジルという加勢が来た事で、出直す為に逃げたのだろうか。
ルーシィもガジルも下級天使だから『能力』の威力はさほど無いが、さすがに天使2人では敵もやりづらかったのかもしれない。

無事を確認するためにエルザの方を振り向くと、彼女はまた新たな『能力』を目にして驚いていたが、ほっと胸を撫で下ろしている様子だった。
ルーシィも、内心すごく安心している。
ガジルが来てくれて本当に良かった。

「でも、どうしてここが分かったの?」
「・・・まあ何だ、ちょっと特殊なアイテムを使ったんだよ」
妙な言葉の濁し方をするガジル。
「何?特殊なアイテムって」
「じきに分かるだろ。・・・それより、本題に入りたいんだがよ」
改めてルーシィの方に向き直り、腕を組む。

「天王直々に命を受けた。お前をとある場所に連れてこい、とな」

「て、天王が!?」

「そうだ。あと、そっちの人間も一緒にな」

「「!?」」
予想外の発言に、ルーシィとエルザは目を丸くさせ、互いの顔を見合わせた。

エルザも、一緒に?

「とにかく、早くそこに行かねぇと怒られるのは俺なんだよ。事情はあっちに着いたら説明される。さっさと行くぞ」
「ちょ、ちょっと待って。まさか・・歩いて?」
「んな訳あるか。確かに人間界にある場所らしいが、ここからじゃ遠すぎる。だから、これを使うんだ」
ガジルは衣服の中から(そんな所に入れないで欲しい)、何かを取り出した。

彼の手に乗っていたのは、金色に輝く羅針盤のようなものだった。

「これで瞬間移動が出来るらしい」
「あ・・もしかして、これでここまで来たの?」
「じゃ、行くぞ」
ルーシィの問いかけを無視して、ガジルは羅針盤を地面の上に置いた。
「あ、ちょっと待っ・・」
直前にエルザが何か言いたげにガジルを呼び止めたが、その前に彼女達の周りが光に包まれてしまった。
3人は柔らかな光に包まれたと同時に、その場所から消えた。


彼らが瞬間移動した後、少し離れた草むらから、がさがさと人が這い出してきた。

いや、人ではない。

人型の悪魔と、猫の姿をした悪魔だ。

ちなみに、ルーシィやエルザを襲ったのも彼らのようだ。

「ふぃー、隠れるのも楽じゃねぇな。息止めてたら疲れたぜ」
人型の悪魔は堂々とベンチに腰を下ろす。
もう片方の悪魔もその隣にちょこんと座ると、何気なく一方の悪魔に問いかけた。

「何であの時、もう一人の天使の方も一緒にやっつけなかったの?たかだか2人の下級天使と人間1人くらい、楽勝でしょ」

「さすがに、天使2人じゃ殺すのに時間が掛かるだろ。こっちも『上』の奴らに呼ばれてるし、もたもたしてる訳にはいかねぇからな」

「あー、そうだったね」
猫の姿の悪魔は、今思い出したというように相槌を打った。
「んじゃ、そろそろあいつらの所に行くとするか。あの天使どもを殺せなかったし、相当説教されるだろうな、こりゃ」
「行くのが憂鬱になってくるよね」
2人(?)はうんざりしたような顔をして、重い腰を上げる。
話を早めに切り上げ、1人と1匹の悪魔もまた、ルーシィたちと同じように瞬間移動をして消えていった。

このとき、人型の悪魔が複雑な表情をしていた事に、もう1匹の悪魔は気が付かなかった。



続く
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【2011/10/16 21:47】 | FT二次小説
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