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ルーシィが目を覚ましてからまず見たものは、見慣れたギルド・・『妖精の尻尾』の風景だった。
そして彼女の周りには、ぐでんぐでんに酔った大の大人達が、盛大ないびきをかきながら眠りこけていた。

・・・・ああ、またこのパターンか。

ルーシィはあまり驚く事無く、ただ皆を起こさないように、そっと溜め息をついた。


前にも同じような事があった。
確か、リサーナがギルドに帰ってきた事でお祭り騒ぎになった時だったか。


今回は少し違う。

昨晩はハッピーニューイヤー・イヴ・・つまり1年最後の日だった為、ギルドはいつもよりさらに賑わいを見せていた。

そのうち、興奮した勢いで酒をラッパ飲みする者まで出てきて、『妖精の尻尾』は新年を迎えるまで大騒ぎだった。
もう、大晦日だとか新年だとか、ギルドの皆には関係ないのではないかというくらい。

新年を迎えたら迎えたで、初日の出なんてお構いなしに、皆眠り込んでしまったらしい。
あれだけ酔いつぶれていたのだから、当たり前だ。

もちろんルーシィも、今までずっと寝ていた。
別に積極的に酒を飲んでいた訳ではないのだが、積極的に飲む人(例えばカナとかカナとかカナとか)に半ば強制的に飲まされた口だ。

・・・・ていうか、あたしってまだ未成年じゃなかったっけ。
確かお酒は20歳になってからで、確かあたしはまだ16歳・・・。
・・・・んー?


・・・ああ、考えるのが面倒になってきた。

とにかく、家に帰ろう。

こんな所で寝ていたら、間違いなく風邪を引いてしまう。
今以上に酒臭くなるのも御免だし。

そう思って立ち上がった時、初めて隣に誰かがいた事に気付いた。
このつんつんした桜色の髪の毛と、竜の鱗のようなマフラーは、言うまでもなく・・・

ナツだ。

いつの間に、ルーシィの隣で寝ていたんだろう。

ふと、彼の何かに違和感を感じて、ルーシィは歩みを止める。

ナツの頬が、何故かほんのりと赤かった。

もしかして、酒を飲みすぎて未だに酔っているのだろうか。
ナツは酒に強そうなイメージだったが、実は意外と弱いのかもしれない。
そういえば、彼は皆と乾杯する時はいつも炎を飲んで(食べて)いた。
普段あまり飲まないから、酒に耐性が無いんだろう、きっと。

・・・・ていうか、ナツって何歳だったっけ。

精神年齢的にはあたしより遥かに年下だけど、見た目的にはあたしと同じ16歳か、それ前後か。
ああでも、この前マスターが、「ナツの歳はよく分からないんじゃよ。下手したら100歳かも」とか言っていた。
・・・年齢不祥な人をギルドに平気で置いていおくマスターも、ギルドをまとめる者としてどうかと思うが、そこはあえて突っ込まない事にする。

「・・・・んー・・・、るー・・し・・?」

ナツの口がもごもごと動き、舌足らずな声でルーシィを呼んだ。
「あれ、ナツ・・起きてたの?」
「・・・・んあー・・一応・・・」
てっきり眠っているものだと思っていた。
「・・・・るーしぃ・・家まで・・・、連れてって・・・」
「は?何言ってんの。そんな事出来る訳ないでしょ」
「・・・ルーシィなら出来る・・頑張れ・・・」
「何なのよその自信はっ!!いいからさっさと酔い覚まして、自力で帰ってよ!」
ルーシィが冷たく突き放すと、ナツは何やらむにゃむにゃ言いながら、1つ提案をした。

「・・・・じゃ、ちゅーして」

・・・・・は?

「・・・そしたら、酔い覚めるから・・自力で、帰る・・・」
「本当、何言って・・」
「・・・・んじゃ・・おんぶしてくれんのか・・?」
「だから、出来る訳ないでしょ!!・・・分かったわよ、ちゅーすれば良いのね、ちゅーすれば!!」
2回も言っていたら、こっちが恥ずかしくなってきた。

ルーシィはナツの横に回ると、そこに座り込んで首を伸ばす。
目を閉じて、まだむにゃむにゃ言いながら待っているナツ。

「・・・特別よ、特別」

自分に言い聞かせるように呟いてから、

彼の頬に唇をそっと触れさせた。

一瞬だけ、2人の動きが止まる。

すぐさまルーシィは顔を離すと、
「これで満足でしょ」
と、ナツの様子を窺う。

しかしナツは、仏頂面でこちらに向き直った。

「・・・・ほっぺが、特別かよ・・・」

「・・・はい?」
「・・・・まだ、全然・・満足、してねぇ」
先程までぼんやりと霞んでいた彼の瞳の光が、急に強いものへと変わる。
そして、がしっと力強くルーシィの肩を掴んだ。
こいつ、もう酔いが覚めてるじゃん。

逃げようとしたが、何故か身体が動かない。

ナツはそのまま、ルーシィの身体ごと自分の方へ引き寄せた。

ちゅ。

互いの唇が触れ合い、吸い寄せられる音。

ほんの1秒くらいした後、ナツはすぐにルーシィを元の姿勢に戻したが、彼女はしばらくぽかんとしたままだった。

今の、何?

え?
キス?

あたし、キスしたの?

ナツと?

直接?

「ちょ、ちょっとぉぉぉ!?いきなり何なの急に!!」
「サンキュー、ルーシィ。お陰で酔いが覚め・・」

バチン。

鋭い音が響いて、ナツの頬に痛みが走った。
ルーシィを見ると、彼女は顔を真っ赤にして、手を震わせていた。
「な、な・・ナツの馬鹿っ!!」
勢いに任せてそう言い捨てると、ルーシィは身を翻して帰ってしまった。
ルーシィに平手打ちされて少し腫れた頬を擦っていると、そこに新たな人物が現れた。

「ナツー、どうかしたの?」

寝ぼけ眼で歩み寄ってきたのは、相棒のハッピーだった。
彼も今起きた所らしい。

「あ、いや、別に」
妙なはぐらかし方をしたナツに、ハッピーは小首を傾げたが、それ以上何も追求しなかった。

ただ、ナツの最大の問題点を指摘する。

「あれ?何か、ナツの唇・・きらきらしてない?」

自分の唇が、きらきら?

ナツ自身も不思議に思って唇を触ってみると、確かに何かが塗られていた。

・・・そういえば、ルーシィは昨夜から唇にグロスを付けていたような・・・。

「っ!!」
その意味に気付いて、頬がかあっと熱くなる。
「べ、べ、別に、そうでもねぇよっ」
と、明らかに上ずった声で吐き捨てると、唇を押さえたままギルドを出た。

「あ!待ってよ、ナツ~」
困ったようにハッピーが叫んだが、当の本人の耳には入っていない。

(・・・酔ってキスする設定は、やっぱちょっと無理あったか)

彼の頬は、先程よりさらに赤くなっていった。



終わり
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【2011/10/23 18:46】 | FT二次小説
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