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其処は、とある花嫁と花婿が式を挙げ、幸福になる筈だった場所。
其処は、とある天使が仲間を救う為に訪れた場所。
大きな世界の隅っこで、たくさんの感情が一度に連鎖した、小さな教会。

平和なとある日の昼下がり、1人の青年と1匹の猫が、その教会に足を踏み入れた。

・・・いや、一見彼らは普通の人間(と猫)に見えるが、実は違う。
『悪魔』なのだ。

人間の姿をした方の悪魔の名は、ナツ。
猫の姿をした悪魔の名は・・無い。

彼らはそのまま、教会の裏庭へと向かう。
裏庭では、神父が花壇の花に水をあげていた。
悪魔達が裏庭に入ってきた事に気付くと、神父は人目を気にするように辺りをきょろきょろと見回す。

そして次の瞬間には、何処にでもいそうな神父の顔ではなく、美しく端整な女性の顔に変わっていた。

服はそのままだったが、髪形や体型などが全く違う為、やはり別人だ。

「よぉ。任務終わったぜ、女装が趣味のおっさん」
ナツが、神父・・に変装していた女性に向かって、気さくに声を掛ける。
一方女性の方は、不服そうに顔をしかめた。
「・・・結界を張っているとはいえ、もう少し目立たないように行動してもらいたいものね」
「お前の趣味がばれたら、プライドが傷付ついちまうからな」

「ばれたら不味いのは、私の『四次元操作』よ。大体、こっちが素だっていつも言っているでしょうが」

自身の身体を指差して、ナツを睨む女性。
神父の姿が素なのではなく、この女性の姿が本当の姿なのだと言いたいらしい。

「へいへい」

「・・・・まぁ良いわ。それより、任務はどうだったの?」

ナツの表情が曇る。
あまり良い結果ではなかったのだと、彼の表情ですぐに分かった。

「作戦Ⅰは成功って所だな。けど、作戦Ⅱは・・応援の天使が来ちまって、分が悪そうだから引き返してきた」

「そう・・ま、作戦Ⅰが成功しただけでも上々でしょう。作戦Ⅱの方は、元々期待してなかったしね」
意外とそっけない返答に、ナツはふざけていじけた振りをした。
「ひでぇ言いようだな」

「とにかく、あんたはもう『悪魔』たちのアジトに帰っていて良いわよ。『あの方』には、私から報告しておくわ」

・・・そう、この女性も・・ナツたちと同じく、『悪魔』。

『時の旅人』という異名を持つ、ウルティア。

「サンキュー。んじゃ、お言葉に甘えて、帰るとしますか」
「あい」
ナツたちが去っていくのを見届けて、ウルティアは密かに微笑んだ。

もうすぐ私は、長年の野望を叶える事が出来る。

もう少し。
もう少しの辛抱だ。

自分に言い聞かせるようにして、ウルティアは教会へ戻っていった。


ミラジェーンたちと別れた、その日の午後。
エルザはルーシィと一緒に、自分の街へ戻ってきた。

『悪魔』が宣戦布告をしてきた事によって、天使たちは警戒を強める為に、人間界に留まりっぱなしで警備をする事になったらしい。

初耳だったが、エルザの町を監視する担当はルーシィだ。
そこでルーシィは、『天使』たちの事情を知っているエルザの家に住み込む事に決まった。
簡単に言えば、居候だ。

「此処がエルザの家かぁ」
ルーシィはしばらくの間、エルザの部屋を覗いてみたり、家中を走り回ってみたりと落ち着かなかったが、やがて何かを思い出したらしく、慌てて玄関へ走っていった。
「どうかしたのか?」

「この町の巡回に行かなきゃいけないのよ。1日朝・夕・晩の3回。すっかり忘れてた」

・・・そんな大事な事を忘れていて、この町は果たして大丈夫なのだろうか。

何はともあれ、帰ってきて早々ご苦労な事だ。
ただでさえ、ジェラールの捜索や報告などで疲れているだろうに。
天使という仕事(なのか?)も大変だ。

エルザも何かしら手伝いたくて、ルーシィについて行こうとしたが、あっさり断られてしまった。

「あたしね、正直言って・・エルザをこれ以上、巻き込みたくないのよ」

あんな事があったからこそ、今度は静かに暮らして欲しい。

それはルーシィなりに気を使ったのだろうが、もう十分巻き込まれているのだ。
今更隠れる事など出来ない。

それに、このまま何も知らない振りをして、天使を見殺しにするなんて・・出来る筈がない。

例えどんなに非力だろうと、私は天使たちの力になりたい。

私に出来る事がしたい。

・・・もう、私と同じような思いを、誰にもして欲しくない・・・。

熱い思いがこみ上げてくる。

これが、私の犯した許されぬ罪の・・せめてもの償いになるのならば。

エルザは引き出しの中から、1枚の写真と黒い羽根を取り出す。

写真の中で、エルザとグレイ、そしてジュビアが笑っていた。

私の身勝手な裏切りのせいで、人生が狂ってしまった人たち。

続いて、もう片方の手に握った黒い羽根を見つめる。

ミラジェーンたちの話では、ジーク・・ジェラールが悪魔と何らかの契約を結んだのだろうと言っていた。
そして自分は、彼のかけた魔法によって『ジェラール』という存在を忘れ、ジークを好きになるように操られていたのだと。

・・・彼が『悪魔』と契約を結んだのも、元はといえば自分のせいだ。

私の未熟な考えのせいで、命を落としてしまった愛しい人。
私を命がけで救ってくれた・・・。

エルザは涙を堪え、空を見上げた。
彼の髪と同じ色をした、蒼い空。

もう私たちに、幸せな未来なんて無い。
あの時交わし、約束し合った未来は、罪と償いしか道は残されていない。

それはきっと、この先・・生涯ずっと変わらないだろう。
私たちは、それだけ重く大きな罪を犯してしまったのだから。

だけど、罪はどんな形であれ、必ず全て償われる時がくる。

許されようなんて思わない。

ただ、命を落とした者たちが、少しでも安らかに眠ってくれれば・・それで良い。

罪が全て償われた時に。
その時に、また巡り逢えると信じて。

今は亡き青年に、しばしの別れの言葉を心の中で告げた。

さよなら、愛しき人。

いつかまた絶対に、巡り逢おう。

少女の目の前を、白い羽根がひらりと舞った気がした。



終わり


あとがき(?)は追記から↓
いつも「更新履歴」の隅っこでちょこっと書いているような、そんな小話みたいなのを書くだけです。
あそこに書いてると邪魔だし、次の更新の時に消えちゃうのも何だかなぁ、と思ったので、追記に移しました。
という事で、これからはこっちの方に書きます。


最終回という事で、今回は結構長めになりました。
下書きの状態ですでにノート3ページ分いってたので(いつもは2ページ分)、そこに加筆修正したらかなり長い事になるんじゃないか、と思ったら本当に長くなりました。
読み辛かったらすいません。

終わりとか言ってエンドマーク打ってますが、もちろんこれで終わりじゃありません。
3章まで続ける予定です。
・・・はい、長いです。

ここであまりぺらぺら喋ってネタバレになるような事言っても間抜けなので、あとがきは書かない事にします。
2章か3章の最後らへんで、という事で。













(単にあとがき書くのが面倒なだけ)
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いつも「更新履歴」の隅っこでちょこっと書いているような、そんな小話みたいなのを書くだけです。
あそこに書いてると邪魔だし、次の更新の時に消えちゃうのも何だかなぁ、と思ったので、追記に移しました。
という事で、これからはこっちの方に書きます。


最終回という事で、今回は結構長めになりました。
下書きの状態ですでにノート3ページ分いってたので(いつもは2ページ分)、そこに加筆修正したらかなり長い事になるんじゃないか、と思ったら本当に長くなりました。
読み辛かったらすいません。

終わりとか言ってエンドマーク打ってますが、もちろんこれで終わりじゃありません。
3章まで続ける予定です。
・・・はい、長いです。

ここであまりぺらぺら喋ってネタバレになるような事言っても間抜けなので、あとがきは書かない事にします。
2章か3章の最後らへんで、という事で。













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【2011/12/04 21:41】 | FT二次小説
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