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3日後の早朝、白騎士たちは『グリンディ第1部署』に到着した。
その中にはもちろん、黒騎士のルーヴも混じっている。

「・・・・我らの目的は、『炎』の剣士の討伐じゃ」

赤や黄色に染まった落ち葉が地面を埋めていく中、『風』の剣士長・・ロウガンは言い放った。

『風』の剣士たちの部署は、そのほとんどが自然と共生する形で建っている。
雨風を凌ぎにくいというデメリットはあるが、部署に入った当初から『風』を感じるには必要不可欠なのだという。

先住民の部族が立ち上げたのが『風』の剣士団なのだという話があるくらい、『風』の剣士には歴史がある。
それだけ掟や慣わしも多い。
いつも金属製の仮面を着けているのも、もしかしたら慣わしの一環なのかもしれない。

目の前で白い台に立っているロウガンは、顎より遥かに下の位置まで伸びた白い髭が特徴的な、厳格な老人だ。
かなり高齢に見えるが、それでも未だ現役に立ち続けているのだというのだから、思わず恐縮してしまう。
さすがに、今回の討伐の前線には加わらないようだが。

「・・・そこで、奴らの最重要部署がある『ドラゴンバル』まで向かう。本格的な攻撃開始は翌日となるが、敵の陣地の近い場所へ潜入するのは変わらん。皆、用心して進むように」

「「「御意!!」」」

剣士長の言葉に、『風』の剣士たちが揃って一礼をし、白騎士たちもそれにつられる形で礼をした。
そして、ウェンの合図で剣士たちが動き出す。
彼はこの第1部署の部署長らしい。

前線のガイドは副部署長に任せ、ウェンは最後尾の白騎士に一番近い位置にやってきた。
「剣士長の仰っていた通り、『ドラゴンバル』の付近の町に到着したら、とある隠れ場所に待機する。そこでゆっくり身体を休め、明日の討伐に備えるようにして頂きたい」
「隠れ場所・・ですか?」
いくつかのグループに分けて汽車に乗り込む剣士たちを見ながら、エアルが尋ねる。
横では、バズが不機嫌そうな顔で水を飲んでいた。

討伐が決まった3日前、エアルは『ホワイトツリー第1部署』の部署長として正式に任命された。
つまり、この討伐の重要な責任者となったのだ。

エアル自身は乗り気ではなかったが、オリオンの推薦で無理やり決まった形だ。
引き受ける他ない。

当のオリオンは、ルーヴや少数の白騎士たちと一緒に別行動をしている。
今はきっと、先に汽車に乗って目的地に向かっている頃だろう。

「何故、白騎士長が黒騎士長なんかと一緒に・・・」
ぶつぶつ文句を言いながら、バズは水筒を手持ちの袋にしまう。
その事でバズは機嫌が悪いらしい。


エアルたちが乗る汽車がやってきた。
エアル、バズ、ウェン、そして5人くらいの白騎士が汽車の5両目に乗り込んだ。
他の騎士たちを仕切るのは、それぞれの部隊長に任せてある。

「皆、体調は大丈夫か?」
汽笛の音に紛れ、ウェンが白騎士たちに尋ねる。
エアルや部下の白騎士たちは「はい」と返事をしたが、バズだけは口元を押さえて、窓の外に顔を出していた。
「バズ殿、具合が悪いのか?窓から顔を出すと危険だが」
「乗り物に弱いんですよ。乗り物酔いに強そうな顔してるのに」
「・・・・エアルさん・・それ、・・どういう意味ですか・・?・・・」
今にも倒れそうな弱々しい声で、バズが怒ったように言う。
顔も真っ青なので、あまり怒っているようには見えないが。
「とにかく、バズなら大丈夫ですよ。乗り物酔いに効く薬草も飲ませてありますし」
「・・・大丈夫なように見えぬが・・・」
不安そうにバズを一瞥したが、ウェンはそのまま外の景色を見た。

先程まで色鮮やかな木々が生い茂る森が広がっていたのに、少しずつ森が減ってきている。
いや、森というより・・緑が少なくなっている。

「『ドラゴンバル』は、どんな場所なんだろう」
ふと気になってエアルが口に出すと、部下が説明してくれた。

「『ドラゴンバル』のみならず、周辺も植物はあまり生えていません。荒野か、砂漠が広がるだけです。当然、農作物を育てる事は困難ですので、近くの鉱山から取れる金・銀や銅を売って、庶民は生計を立てているようです」

「詳しいね」
感嘆の息を漏らすと、その白騎士は照れたように頭をかいた。
「・・・昔、その辺りに住んでいたものですから」
「そっか」
2人の会話を聞いていたウェンが、懐から鞘が付いた短剣を取り出した。
驚いて彼の方を見ると、視線に気付いたウェンはぽそりと呟く。

「・・・・我も昔、『ドラゴンバル』の周辺に住んでいた」

「え!?」

「植物・・樹木が無いという事がどれだけ異常か、身を持って実感したのだ。何故緑が無いのか分からぬが、自然がどれだけ大切なものなのか、我々は忘れてはならないだろう」

「・・・・・」

彼の言葉に、それ以上の追求はしなかった。
何か、辛い過去があったのかもしれない。

「我は、大切な仲間を失ったという者を知っている。だから、我も絶対に仲間を失いたくない。我自身の命を軽く見る事もせぬ。残された者はどれだけ辛いか、知っているからだ」

「・・・そうですね」

「エアル殿たちも、命を落とさぬよう、十分に気を付けよ」
「「「「はい」」」」
バズ以外の白騎士が応える。
バズは今、返事が出来ない状態なので、少しだけ頷いて応えてみせた。

「ところで、『風』の剣士の剣は、短剣なのですね」

話を変えると、ウェンは嬉しそうに頷いた。

「そうだ。極限まで風と同じ状態になる為には、このように軽い短剣が一番適している」

「・・・ウェンさんは、『風』の剣士に強い誇りを持っているようですね」

「うむ。我はやはり、自然が好きだからな」

エアルや白騎士たちが朗らかに笑った時、また大きな汽笛が鳴った。
どうやら、目的地の駅に到着したようだ。

エアルたちは、白銀の鎧をかしゃかしゃと鳴らし、立ち上がる。
ウェンもまた、金属の仮面を指で押さえて歩き始める。

これから、決死の討伐が始まる。

剣士の誇りを守る為に。
『炎』たちの企みの謎を解く為に。


・・・・ただ一人、バズだけは頼りなさ気に、駅のホームで倒れかけていた。

「大丈夫ですか、お客様」
駅員に心配されたバズは、言い返す気力も無く地面に突っ伏した。
「・・・・うう・・置いて・・、いかないで・・・くださいぃ・・・・」
置いていくよー、というエアルの声が、遠くで聞こえた。



続く
これから重い話になるので、今回はちょっとギャグを混ぜた話にしました。
ウェンが何かと色々ありそうですが、それは本編の後upする番外編(?)で少しは明らかになるかもしれません。
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これから重い話になるので、今回はちょっとギャグを混ぜた話にしました。
ウェンが何かと色々ありそうですが、それは本編の後upする番外編(?)で少しは明らかになるかもしれません。
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【2011/12/11 22:51】 | オリジナル小説
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No title
LandM
こういう騎士団っぽい雰囲気は好きですね。
・・・と言いながら、自分の作品でもそういうのを作ればいいんですけど・・・・なかなか作れていないですね。こういう雰囲気勉強になりますね。

Re: No title
mimi346
ありがとうございます。

後々見返してみたら、エアルの問いに結局答えが返されていない等、間違いが結構ありました。
すみません。

私ももっと、世界観などを場面場面で映し出せるようになりたいです。

コメントありがとうございました^^

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コメント
この記事へのコメント
No title
こういう騎士団っぽい雰囲気は好きですね。
・・・と言いながら、自分の作品でもそういうのを作ればいいんですけど・・・・なかなか作れていないですね。こういう雰囲気勉強になりますね。
2011/12/12(Mon) 09:32 | URL  | LandM #-[ 編集]
Re: No title
ありがとうございます。

後々見返してみたら、エアルの問いに結局答えが返されていない等、間違いが結構ありました。
すみません。

私ももっと、世界観などを場面場面で映し出せるようになりたいです。

コメントありがとうございました^^
2011/12/13(Tue) 21:57 | URL  | mimi346 #-[ 編集]
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