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どんよりと曇った寒空の下。

2人の少女が、墓石に向かって手を合わせていた。
冷たい冬の風が吹き、彼女達の髪が揺れる。
金髪の少女が静かに目を開き、そっと隣の少女の様子を伺う。
もう片方の少女は、乱れた緋色の髪を整える事もなく、ただ墓石の前で手を合わせ続けていた。

「・・・・エルザ」

金髪の少女・・ルーシィが、彼女に向かって声を掛けた。
だが、エルザと呼ばれた少女は無言のまま。
ルーシィはまた墓石に視線を戻したが、沈黙に耐え切れなくなって、もう一度呼びかける。
「エルザ」
現実に引き戻されたように、エルザの瞳がぱちっと開かれる。

「ああ、すまない。・・・もう仕事に行く時間か?」

「ううん、まだ時間に余裕はあるわ」

かぶりを振って、ルーシィは手元の時計に目を移した。

今の時間は午後2時6分。
次の『警備』の仕事は4時からだから、あと2時間はある。

ルーシィの仕事とは、そこらの百貨店の警備とか、そういうものではない。

人間達を監視する役目を持つ『天使』の仕事だ。

姿こそ普通の人間と変わらないが、ルーシィは『天使』なのだ。

先日、宿敵の『悪魔』から、『バックストレージ作戦』と題した挑戦状が届いたせいで、天使たちの警備はより厳重なものとなった。
もちろんルーシィも例外ではなく、1日3回、担当区域を回らなければならない。

悪魔達が大人しくしていれば、こんな事にはならなかったのに。

ちなみに、エルザは普通の人間だ。
全く無関係、という訳ではないが。

「仕事の話じゃなくて。・・・この人たちが亡くなった事、いつ知ったの?」

躊躇いがちに本題を切り出すと、エルザは正面を見据えたまま、悲しそうに眉を寄せた。

「・・・つい昨晩の話だ。グレイとジュビアが死んだ、という話を、グレイの家系の者が伝えに来てくれてな・・それで知った」

「そう・・・」

隣り合った墓石には、それぞれはっきりと名が刻まれていた。

グレイ・ソルージュ。
ジュビア・ロクサー。

1週間前に起きた、とある事件が発端となり、命を落とした人間たち。

本当なら、あんな所で亡くなる事はなかったのに。

「・・・ジュビアは、私を撃った後に、グレイの自宅で自殺していたらしい。・・・グレイの亡骸の隣で」

「・・・・・・」

エルザはそれ以上、当時の状況を話さなかった。
現場がいかに惨かったか、ルーシィにも想像はつく。
代わりに、エルザの唇が震えた。
風と一緒に消えていってしまいそうな声で、懺悔の言葉を呟く。
「・・・・私のせいだ。私が、あんな・・あんな裏切り方をしなければ・・・」
「エルザ、その事は言わないって約束でしょ?」
手で顔を覆ってしまったエルザを、ルーシィが必死に宥める。

その時、ルーシィの頬に冷たいものが当たった。

地面を見れば、土の表面に転々と水玉模様が出来ている。

「雨?」
「・・・ああ、降ってきたな・・・」

とりあえず建物の中に入ろうか、とルーシィが促した時には、雨が土砂降りのように降ってきていた。

「すごい雨だ・・傘は持ってきていないぞ」
「早く中に入ろう!風邪引いちゃう!」
2人は慌てて、すぐ側の教会へ向かう。
「あーあ、泥の中巡回しなきゃいけないのかぁ。憂鬱だなぁ」
教会まであと少しだ。
だが、土が早くもぬかるんで走りづらい。

(・・・ごめんなさい)

「?」

誰かの声がした気がして、ルーシィは立ち止まった。
しかし、振り返っても背後には誰もいない。

(ごめんなさい)

よりはっきりとした声が木霊する。
辺りを見回しても、やはり誰もいない。
エルザには聞こえていないようで、一足先に教会の中へ入っていく。

まさか、幽霊?

急に寒気がし、ルーシィはさっさと教会へ入ろうと走り出そうとした。

が、何故かその足が止まってしまう。

(ごめんなさい・・・)

『ごめんな・・・』

(私のせいなのです)

『俺のせいで』

幽霊の声と、それとは違う誰かの声がリンクする。

懐かしい、誰かの・・・。

頭がぐるぐると回転する。

『ごめんな・・ごめんな、ルーシィ』


「ルーシィ?」

エルザに名前を呼ばれ、はっと振り向いた。
「入らないのか?」
どうやら、今のは一瞬の出来事だったらしい。
「あ、ごめんね。今入るー」
何事もなかったように装って、ルーシィは教会の中へ入っていった。

雨の音に紛れて、先程の声は聞こえなくなっていた。

ただ、墓石の隣に咲いた瑠璃色の花だけが、小さく揺れていた。



続く


追記に、今回の話の説明など↓


最後に書いた、ルーシィが聞いた2つの声・・何となく想像がつく人いると思います。
管理人の事をよく知っている人は特に。
分からないなら分からないで、それに越した事はありません^^
というか分からないでくだs(ry

次の話から、過去に移ります。多分。
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最後に書いた、ルーシィが聞いた2つの声・・何となく想像がつく人いると思います。
管理人の事をよく知っている人は特に。
分からないなら分からないで、それに越した事はありません^^
というか分からないでくだs(ry

次の話から、過去に移ります。多分。
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【2012/01/07 19:38】 | FT二次小説
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