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集合場所の中庭に辿り着いてみると、ほとんどの人員が集まっていることが分かった。
白銀の騎士たちがびしっと整列し、かなりの数の列を作っている。

エアルも出来るだけ早く集合時間に着くよう心掛けてはいるのだが、なかなか成功できた試しがない。
やはり男と女では歩幅や歩く速さに違いが出てしまうのだろうか。
白騎士は圧倒的に女性が少ないので、男性の白騎士に遅れを取らぬようエアルも頑張っているのだが・・・。

少し憂鬱な気分で、第1部隊の最前列に並んだ。
周りを見渡すと、皆緊張した面持ちで自分の装備を確認したり、落ち着くために深呼吸をしたりと、最終準備に取りかかっていた。
ここへ来る前に準備は整えてあったが、念入りにもう一度チェックしていると、右隣から「エアルさん」と声をかけられた。
見ると、そこには深緑のショートヘアの青年が立っていた。

「バズ!」
「お久しぶりです」


少し照れたように頭を掻いた彼は、同期で1つ年下のバズだ。

彼は第2部隊の隊長で、同じ部隊長同士仲良くしてきたのだが、最近は第1部隊と第2部隊が別の仕事になることが多く、顔を合わせる機会が少なくなっていた。


彼と久しぶりに会話することができて、エアルの憂鬱感は少しだけ和らいだ。

「今日の任務は一緒なんだね」
「はい。今日はA級の任務だから、第1と第2部隊が共に行動するんでしょうね」

A級。
その言葉を聞いて、エアルの表情が引き締まる。


一口に任務といっても、その内容や危険性はてんで違う。
そのため任務の内容によって、仕事は3つにランク分けされる。

まず、C級。
軽犯罪や暴力団の鎮圧など、比較的新人でも扱いやすい仕事である。

その次にB級。
こちらは『怪物(モンスター)』の駆除や調査などの仕事が多いので、ある程度腕の立つ者か場数を踏んだ者でないと起用されない。

そして一番危険なのがA級。
魔法剣士同士の抗争の仲裁、危険視されている強力な『怪物』の討伐などが主な仕事だ。
ほとんどの場合、これには騎士長か剣士長が同行する。


今回の任務はそのA級だ。
エアルですら、A級の任務へ赴くのは数える程でしかない。

「・・・皆、緊張していますね」
「バズは平気なの?」
「ええ、まあ。A級は2回目ですし、今回が初めての連中に比べたらましですね」
「そっか・・・」
2回目で慣れてしまうなんて、大した精神力だ。
正直、羨ましい。
「・・・お互い頑張ろうね」
「はい!」
互いを励まし合っていた所で、遠くから号令がかかった。
騎士たちが一斉に隊列を整え直し、気をつけの姿勢になる。
そして騎士たちが見守る中、1人の青年が堂々と皆の前に立った。

肌に伝わってくる威圧感と、気高く誇り高い志。

白騎士たちの肌が、髪が、唇が、耳が、感覚全てが、びりびりと震えるほどの。

オリオン・ヴィアズが、短く切りそろえたブラウンの髪を風になびかせ、琥珀色の強い瞳で皆を見据えた。

「それではこれから、任務について詳しく説明する」
がしゃり、と鎧が動いた。
オリオンは東の方角を指差す。
「まず、目的地はこの街の東にある『影の森』だ。皆も知っている通り、あそこは『黒騎士』の担当する区域なのだが・・・」
『黒騎士』という単語に辺りは一瞬ざわついた。


黒騎士は白騎士と敵対する『闇』の剣士だ。
実際、部署同士が近い場所にありながら交流はほとんどなかった。


「・・・どうも黒騎士たちが任務中に行方不明になったらしい。その任務というのが、『影の森』に巣食うという強力な『怪物』が最近活発だから偵察をするという内容だった。黒騎士たちの行方不明と『怪物』の活発化には深い関連性があると判断したので、我々白騎士が調査を行うことになった。調査内容は『怪物』の様子と、黒騎士たちの安否の確認だけだ。ただし、あの森には強力な『怪物』たちが五万といるから、十二分に覚悟して進むように」

「「「「御意!!」」」」
騎士たちはびしりと敬礼をすると、各部隊長の指示に従い部署を後にした。


つまりは黒騎士の尻拭いですよ、というバズの言葉が脳裏に蘇った。
あの青年は黒騎士が心底嫌いらしく、「黒騎士」という言葉を聞く度に不機嫌になるから困りものだ。
愚痴や陰口を聞かされるのは、拒絶はしないが、好きじゃない。

自分まで嫌な気分になりながら、エアルはオリオンに続き『影の森』に分け入った。

その名の通り、この森は昼間でもあたりは暗い。
高くて幅の広い樹木が多いせいだろう、日差しがほとんど当たらないのだ。
しかも、木々は全て黒く変色してしまっている。
100年くらい前まではこんなことはなかったそうだが、『怪物』たちが住み着くようになってからというものの、この森の状態は悪くなる一方なのだという。
『怪物』たちを倒せれば話は別なのだが、数が多すぎてきりがない。
不気味な森だ。

それに何より、異様な気配がする。
背筋を走る悪寒が先程から止まらない。
辺りを警戒しながら進んでいると、後方から叫び声が上がった。

「『怪物』の奴らだ!!」
「上を警戒しろ!!」

エアルも、前を歩いていたオリオンも、他の白騎士たちも一斉に上空を仰ぎ見る。

巨大な黒い怪鳥がエアルたちを睨めつけながら上空を覆っていた。
それだけではない、怪鳥の仲間であろう一回り小さな鳥たちがいつの間にか木々に止まり、白騎士を包囲していた。

「攻撃準備!!」
「「「「御意!!」」」」
オリオンの号令に、騎士たちは各々剣を構えた。

エアルも素早く鞘から剣を取り出す。
決して小振りではないが、女性のエアルにも持ちやすい軽くて丈夫な剣だ。
これが、私の相棒。

白騎士たちが解き放った銀色の光に反応してか、『怪物』たちが一斉に襲い掛かってきた。
再びオリオンの号令が響く。
「全部隊、攻撃開始!!」



続く
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【2013/03/10 21:59】 | オリジナル小説
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LandM
それでもエアルはA級の仕事をやっているときもあるのは優秀な証拠なんでしょうね。俗にモンスターハンターみたいなお仕事になってくるんでしょうね。分野が違いますけど悪魔狩りもこの類に入りそうですね。もとより、聖堂騎士はその類の仕事が多かったですけどね。

Re: タイトルなし
Rubellum
LandMさん、コメントありがとうございます。

エアルは仮にも部隊長をやっているんですから強い筈なのですが、本人は色々あって自分にコンプレックスを持ってしまっているようです。

そうですね、ほとんど悪魔狩りに近いと思います。
この世界の人々にとって『怪物』=悪のようなイメージがあるので…。

ご訪問ありがとうございました!

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コメント
この記事へのコメント
それでもエアルはA級の仕事をやっているときもあるのは優秀な証拠なんでしょうね。俗にモンスターハンターみたいなお仕事になってくるんでしょうね。分野が違いますけど悪魔狩りもこの類に入りそうですね。もとより、聖堂騎士はその類の仕事が多かったですけどね。
2013/03/17(Sun) 08:32 | URL  | LandM #-[ 編集]
Re: タイトルなし
LandMさん、コメントありがとうございます。

エアルは仮にも部隊長をやっているんですから強い筈なのですが、本人は色々あって自分にコンプレックスを持ってしまっているようです。

そうですね、ほとんど悪魔狩りに近いと思います。
この世界の人々にとって『怪物』=悪のようなイメージがあるので…。

ご訪問ありがとうございました!
2013/03/19(Tue) 16:40 | URL  | Rubellum #-[ 編集]
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