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忌まわしい魔の叫びと、白い騎士の雄叫びが交差し、やがてぐちゃぐちゃに乱れていく。
先陣を切ったのは騎士長と第1部隊だった。

オリオンが、身の丈ほどもある大剣をやすやすと一閃させて、襲い来る怪鳥の群れを簡単に倒した。
そして、陸空戦どちらも得意とする第1部隊がそれをサポートする。
あの一番大きな怪鳥はオリオンを狙ってきているようなので、第1部隊は他の『怪物』たちを片付けるのが得策だろう。
エアルは軽い身のこなしを利用して跳躍し、近くに迫っていた怪鳥たちを2、3匹まとめて地に落とした。
叩きつけられ藻掻く怪鳥たちの根を、第2部隊の者が確実に止めた。
それに勢い付いて、他の部隊も次々と『怪物』たちを切り倒していく。
返り血がエアルの頬にこびり付く。
鮮血と脂で汚された剣を拭う暇もない。

再び、ぶおんと強風が襲ってきて、砂が目に入ってしまった。
どうやら一際大きな怪鳥が空中へ浮いたようだ。
片目だけ何とか開いた状態で目をやると、バズたち第2部隊が横をすり抜けていった。
そうか、エアルたちが『怪物』の相手をしている間に奥へ進むつもりなのか。

と思ったが、実はそうでもないらしい。
怪鳥の群れはだいぶ数が減ってきたものの、人間の匂いを嗅ぎ付けてか、他の『怪物』たちが集まってきていたのである。
それに気づいた第2部隊が、近付く獣人たちへと突撃していった。
さすがにこの数ではきりがない。

「エアル!」
怪鳥の相手をしたまま、エアルは背中越しにオリオンの声を聞いた。
「俺が道を開く、行け!」

なるほど、彼の大剣は流れを大きく変える鍵となるだろう。
その隙をついてエアルたち第1部隊が奥へ進んでしまえば良い、という考えなのか。

「召喚・・・」
オリオンがゆっくりと呟くと、彼の大きな得物がわずかに発光した。
動揺したのか、『怪物』たちの動きが鈍くなる。

「『獅子王の轟き(レオ・スリンダー)』!!」

そう言い終えるか終わらないか、オリオンの動きが一気に加速した。
まるで体重を感じさせない動きで大きく踏み込んだかと思うと、空中で横に一回転しながら剣を円状に回した。
その一撃で大きな怪鳥を切り殺すどころか、他の怪鳥まで巻き添えにしてしまった。
それだけでは止まらず、彼は姿勢を低くして走り出す。
目指すのは、第2部隊が相手している獣人たち。
並外れた身体能力で大きく跳躍すると、早口で彼の口から魔法が紡ぎだされる。

「『星の語り部(セコンド・グレイス)』」

オリオンは少しだけ体を前に傾けると、大剣を横薙ぎに払った。
同時に閃光が繰り出され、ドミノ倒しに獣人たちが倒れていった。

「第1部隊、進行方向へ直進!!私に続け!!」
「「御意!!」」
敵に隙が出来た所を狙って、第1部隊は『怪物』たちの間をすり抜け、直進した。
途中しつこく怪鳥が襲ってきたが、第1部隊だけで十分対処できた。

遠くから、オリオンや各部隊長の号令が響いてくる。
不安で振り向きそうになったが、それを堪えエアルは自分を励ました。

大丈夫だ、オリオンたちは皆戦い慣れている。
死ぬはずがない。


森の奥へ進んでいくと、狼の姿をした『怪物』が行く手を塞いでいた。
一匹だけだが、随分と大きな狼だ。
油断ならない。
「部隊長、総出撃しますか」
副部隊長であり副部署長でもある男、サイン・リーファがエアルに耳打ちしてきた。


この男はエアルに朝わざわざ報告に来てくれたのを例に、几帳面で真面目な男だ。
だから本来エアルが就かなければならない副部署長の座を、彼に譲った。


こちらを睨めつける狼を一瞥して、短時間で思考を巡らせる。

一匹だけということは強さに自信があるのだろう。
それに、狩りにも狼であるなら群れをなしていないというのも妙だ。
この『怪物』は、奥にある何かを守っている・・そんな気がした。
大人数で攻めるのは、あまり効率が良くない。

「ううん、私とサインだけで行く。他は私たちの援護!特に周囲を警戒して」
「御意」
「「御意!!」」
サインは無表情のまま、こちらに顔を向け頷いた。
エアルも頷き返し、敵をもう一度見る。
狼が、怒涛のごとく襲いかかってきた。
それに合わせ、サインの方が先に魔法を発動した。

「召喚・・『小さな天使(バードテクニカル)』」

彼はふわりと空中へ飛び、『怪物』の背後に回った。
予想通り、狼は瞬時に反応して一時停止し、逆方向へ体を向けた。
完全に敵の視界から消えた所で、エアルの剣が鈍く輝く。

「召喚・・『聖馬の角(スターライト・ペガサス)』!」

その瞬間、決して細くはないはずの剣が一筋の線となり、突き出された光が孤高の獣を貫いた。


エアルやオリオンたちが使った『召喚魔法』は、剣に召喚獣を擬態させ、自身や剣の能力を一時的に上げる魔法だ。
通常の魔法に比べ、威力が小さい上に一定時間しか使用できないが、魔力の消費が少ないので使いやすい。


的確に急所を突かれた『怪物』は、口から赤い血を吐き出しながら倒れ、やがて息絶えた。
それを見届けると、エアルは辺りを見回した。
「皆無事?」
「はい。この辺りに他の魔物の気配は感じられませんでした」
部下の一人が報告してきて、エアルはそっと息を吐き出す。
とりあえず、これで先には進めそうだ。
前へ一歩歩きだそうとして、ふと脇の小道に目をやった。

獣道のように狭く暗い、深淵の奥。
どす黒い、闇のようなものを感じた。

思わずエアルの背筋がぞくりと粟立つ。

「部隊長、どうかしましたか」
サインや他の白騎士たちが不安そうに覗き込んでくるので我に返り、部隊に号令をかける。
「進路変更!あの奥を調査する!」



続く
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【2013/04/08 17:21】 | オリジナル小説
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LandM
この世界観の騎士は召喚ができるのが独特ですよね。あまりない発想ですよね。この辺は召喚されるものと契約して初めて騎士と呼ばれると言う発想にもなるんですかね。とても面白い描写だと思います。

Re: タイトルなし
Rubellum
LandMさん、いつもご訪問ありがとうございます。

ありがとうございますー。
魔法剣士たちが何故召喚魔法を使うようになったのか、どうやって召喚獣を召喚するのか等の説明は後ほどの章で明かしていこうと思っておりますので、その時まで待っていてくださると嬉しいです。^^

コメントありがとうございました。

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コメント
この記事へのコメント
この世界観の騎士は召喚ができるのが独特ですよね。あまりない発想ですよね。この辺は召喚されるものと契約して初めて騎士と呼ばれると言う発想にもなるんですかね。とても面白い描写だと思います。
2013/04/09(Tue) 19:54 | URL  | LandM #-[ 編集]
Re: タイトルなし
LandMさん、いつもご訪問ありがとうございます。

ありがとうございますー。
魔法剣士たちが何故召喚魔法を使うようになったのか、どうやって召喚獣を召喚するのか等の説明は後ほどの章で明かしていこうと思っておりますので、その時まで待っていてくださると嬉しいです。^^

コメントありがとうございました。
2013/04/09(Tue) 20:22 | URL  | Rubellum #-[ 編集]
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