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次第に窓から見える風景が移り変わってゆく。

「・・・・・ほんっっと、ありえないって!!」
彼女は小さな簡易テーブルをバンと叩く。
「うっせぇぞ、ルーシィ。てか髪くせぇぞ」
隣にいたナツが、迷惑そうに言った。
「余計なお世話よっ!!」
当然のことながらルーシィは怒鳴る。
「まあまあ、そうピリピリすんなって。仕方ねえ事だろ、エルザが決めたんだから」
グレイがなだめるように仲裁に入った。
「だ、だって・・・。ヒロインは仮にもこのあたしなのよ!?なのになんで、エルザはいいとして・・・
 あんなマイナーすぎる人たちがメインな訳!?おかしいと思わない!?」
少しヒステリック気味にルーシィが大声を出す。
その時、今まで(魚を食べていたために)黙っていたハッピーが口を挟んだ。
「しょうがないよ。エルザとジュビアは強いし。エルザはジェラールと・・・でぇきてぇる・・し」
「巻き舌風に言わないのっ!!てかそれって本当なの!?」
「あい。多分そうかもしれないしもしかしたら意外と違うかもしれないけど多分」
「曖昧すぎるから!!」
そこで、乗り物(汽車)によったナツがうめく。
「うう・・・うぷ・・・くせえ・・」
「うるさーーいっ!!!」
「あい!」
「・・・てか、何でルーシィじゃなくてバルゴなんだ?お前、魔力大丈夫なのか?」
グレイが疑問そうにルーシィに尋ねた。
「ああうん、異世界だから大丈夫じゃない?ってことに・・・・
 ・・・ああーっ!!そういえばバルゴもメインだったんだ!」
「まあ、バルゴが強いのかどうかは知らねえが、契約者の武器が鞭ひとつじゃな・・・」
「そんなことないんだなこれが!今回はこのラケットを武器にするんだから!」
「う・・・うぷぅ・・武器・・弱え・・・うぶ」
「あんたはいちいち余計なお世話よ!!気分悪いならおとなしくしてなさいよ!!」
グレイは呆れ顔をしながら、話題を変えた。
「・・・にしても、エルザたち大丈夫か?」
「うん?」
「エルザたち、あの怪しい女についていったんだろ?名前は・・・なんだっけ?」
そう言いながらルーシィの方をちらっと見た。
「・・・・・『ミカ』でしょ」
「ああそうそう、そいつがギルドに来たせいでこうなったんだろ?」
「んー、まあね。ていうか今更だけど、この異世界っていうのもなんかおかしいわよ。
 だって、魔法が使えなくなっちゃったじゃない?しかも、人もなんとなくおかしいし」
ルーシィはそう言って近くにいた女性を見た。
顔を仮面で隠し、衣服から覗いている手は長い上に鳥のような手だ。
そしてその隣にいる男性は、やたらと背が低く頭から葉のようなものが生えている。
おかしすぎる。
「・・・・はあ。何なんだろう、ここ・・・」
ルーシィは大きなため息をついた。


「『強化訓練』?」
エルザ達は、自称冒険者・ミカとともに別の列車に乗っていた。
「そう。この世界じゃあなた達の世界の魔法は使えないの。・・・ほとんどは」
ミカは最後に短く補足する。
それに疑問を持ったジェラールが質問した。
「・・・ほとんど?」
「うん。炎・氷・雷属性魔法は、簡単に誰でも使えるよ。あと、聖属性とか治癒魔法とかも」
「治癒魔法!?それって、失われた魔法・ロストマジックの一つじゃないですか」
驚いたのか、ジュビアの声が少し大きくなる。
「ま、そっちの世界ではね。・・・そういうことだから、この世界では武器をメインにして戦うの。
 そして強くなるためには、ある程度のステータスとアビリティが必要になる。だから・・・」
「・・・そのために、『強化訓練』を行うということか」
今まで口を開かなかったエルザが言った。
「そうそう、さっすがエルザ!かっこいいよ」
ミカのコメントは完全に無視して、エルザが尋ねる。
「・・・で、それは何をするんだ?」
「ああ、強化訓練?実はまだ、『実験』が成功してないからまだ先のことなんだけど」
「・・・『実験』?」
「・・・・・最強ステータスの冒険者育成の実験」
「最強ステータス!?」
またしてもジュビアが驚いて声を上げた。
「でもこれは、材料が不足してるから一人ずつしか育成できないんだ。すごく効率悪いけど」
「材料?それはもう手に入れられないのか?」
ジェラールがミカに尋ねた。
「あー、いろいろと入手困難っていうか・・・。・・この育成には、『ジュエル』っていう材料が必要なの。
 それを装備品にセットするといろいろな特殊効果が現れるんだけど・・・」
他の4人は、声を出さずにミカの話を聞いている。
「・・この育成に必要なジュエルは、ほとんどが装備品のレベルを上げない限り手に入らない。
 その上、その装備品を手に入れることさえ困難。そして、一人少なくとも3個ずつは必要」
「・・・3個×4人で・・・12個も必要なのか?」
「・・・・・うん。だから、その方が効率悪いでしょ?」
「まあ、確かに・・・」
「・・・そういうことで、どっちにしても時間かかるから、4人には『プレ戦闘』をしてもらうことにしたの」
「「『プレ戦闘』!?」」
4人・・・いや、正確には(一切声を出していない)バルゴを除いて3人が同時に声を出した。
「まあ、そういっても最初はこの世界・・・この大陸をよく知ってもらう感じかな。
 とりあえず自由に動き回ってもらうだけだし、経験値も上がらないから心配要らないよ」
一呼吸置いて、ミカが続けて言う。
「まあ、そういうことだから第2パーティのナツ達とも一緒に行動していいよ」
その一言で、他の4人の顔がぱっと輝く。
「・・・これで騒がしくはなりそうだが、楽しくもなりそうだな」
エルザが嬉しそうに言うのを、ジェラールは黙って見つめていた。
「ああ、グレイ様・・・!これでやっと、ジュビアはグレイ様と・・・!」
ジュビアは空想(しいて言えば妄想)に浸っている。
「姫・・・」
バルゴがぽつりと呟く。
「・・・・・あのー、皆さん?ちょっとお客様が来てますが??」
ミカが居心地悪そうにしながら言った。
「・・・お客様?」
ふと横を見てみると、アリスのような格好をした少女が立っていた。
「初めまして。『くりす』って言います。この育成の・・・先輩でもあります。よろしくお願いします」
((育成の先輩?))
4人は疑問に思ったが、とりあえず自己紹介をしていく。

「・・・・じゃ、自己紹介終わったところで説明するね」
ミカはそこで自分のリュックから分厚い本4冊を取り出した。
「・・・この本に、この世界の基本知識とかが書かれてるから、後でゆっくり見といてね。
 ・・で、この『プレ戦闘』はあたしじゃなくて、くりすが監督として一応つくから」
『一応』という言葉にくりすは眉を寄せたが、そのまま黙っていた。
「そんで、くりすは今のところ街じゃなくて樹海の村に住んでるの。
 だからあなた達も、くりすと一緒に村にホームステイすることが条件ね」
「ホームステイ?住人に迷惑をかけるんじゃないか?」
エルザは心配そうに尋ねたが、ミカは何でもなさそうに答えた。
「ああ、大丈夫だって。村の住人、2人と1匹しかいないから」
「・・・・・え?」
「まあ、色々あったらしくてね。でも家は余ってるから、自由に使っていいんだって」
よく事情は分からなかったが、とりあえず納得しておくことにした。
「・・・・・おっ、丁度良く到着したね。じゃあ、たまに村に寄るから、詳しくはくりすに聞いてね。
 じゃ、頑張ってね~♪」
ミカはそう言ってさっさと駅を出てしまった。
「・・・まったく、くるのも突然だが去るのも突然だな」
エルザはそう言いながらも、つい先ほどの出来事を思い出していた。


「はあ!?異世界!?」
「ま、落ち着かないのも分かるけどさ。とにかく、こっちでやって欲しいことがあるの」
「なんだよそれ」
「それは秘密。ただ、こっち来ればいい物があるよ」
「マジか!?」
「こらナツ、乗らないの!・・・・・・」
・・・・・・


(・・・いい物というのは、結局なんだったのだろうか?ハッタリだったのか・・・?)
「・・・んん??」
エルザがふとジェラールの方を見ると、くりすがやけにジェラールに近い位置にいた。
「うわっ本物だ!本物のジェラールだっ!実物かっこいいよマジで!!」
くりすは目をきらきらさせながら、ジェラールに詰め寄っている。
「・・・・・・くりす。ジェラールはそんなに有名なのか?」
今度はエルザがくりすに詰め寄る。
「あ、あの・・・ミカに写真見せられてて、それでかっこ・・・・・」
くりすの言葉がなぜか途中で途切れた。
「・・・???」
エルザは訳も分からず立ち尽くしていたが、とりあえず駅のホームから出ることにした。

「・・・あの」
「うん?」
「エルザさん・・・ですよね?」
「ああ、さん付けなどしなくていいぞ」
「エルザ・・・ジェラールとの関係はどうなんですか?」
「はっっっ!!?」
「だって・・・二人とも絶対お似合いだから・・」
「そそそ、そんなことはないぞ!?」
「あ、動揺してますねエルザさん。恋は大切ですよ」
いつの間にかジュビアも加わっている。
返答に困っていると、向こうにナツたちの姿が見えた。
「ほ、ほら、グレイがいるぞジュビア!」
まるで何かのスイッチが入ったようにジュビアが反応した。
「グレイ様あぁぁぁっ!!!」
「ぐほっ!?ジュ、ジュビアか!?」
すごい勢いでジュビアがグレイに飛びついている。
それを合図に、バルゴもルーシィのもとに潜っていく。
「きゃあっ!?バ、バルゴ!?」
「・・・姫、お仕置きですか?」
「なんでよ!?」
そして、ジェラールと目が合ったナツは、すごい大声で叫ぶ。
「ジェラァァル!!火!!火くれ!!」 
「・・・・はあ・・」
ジェラールは、仕方ないというようにナツのもとへ向かっていった。
「あっ!エルザだー!」
ハッピーがエルザの方へ飛んできた。
「ハッピー」
「エルザ、別行動じゃなかったの?」
「ああ、だが事情が変わってな。これからしばらく、お前達と一緒に村で過ごすことになった」
それを聞いていたナツ達から、おおっと歓声が上がった。

事情をくりすから説明されると、ナツ達はさらに喜んだ。
「じゃあ、自由にぶっ壊していいんだな!?」
「駄目でしょ!!」
そのやりとりを見て、エルザは思った。
(・・・やはり、ナツ達とも一緒に行動したかったな・・・)
「まあ、これでナツが火、火って騒がしくなくなるな。俺達が出せばいいんだろ?」
「不味ぃ」
「なんだとてめえっ!!」
「やんのかグレイ!」
「ちょ、やめなさいよ二人とも・・・痛っ!!なにすんのよ!?」
「姫、お仕置きですか?」
「バルゴ!!今それどころじゃ・・・・きゃあっ!」
「ああっ、グレイ様・・服ーっ!」
「しまったあっ!!」
「ジェラール、魚出して~」
「出せないし!オレは手品師か!?」
ぎゃあぎゃあと好き放題やっている皆を見て、エルザは思い直した。
(・・・とりあえず、今を楽しもう・・)
そして、仲裁に入るべく皆のもとへ向かう。
「こらっ!お前達、何をやっている!?」
「エルザ!」
「「お・・・オレ達今日も仲良くやってるぜぃ」」
「あい!」


そして、楽しくなるであろうはずの旅は、後に混乱と恐怖を招くこととなる。

今、ここで暴れているナツ達は、まだそのことを知らない・・・。



続く
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【2010/08/24 15:15】 | その他二次小説
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