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「・・・ジーク、置いとくね」
彼女がいつものように弁当を置いていってくれる。
寂しそうな表情をこちらに向けると、またすぐに出て行ってしまう。
「・・・・・・・」
オレは、何をしているのだろう。
このままではダメだ、何とかしなければ。
そう思えば思うほど体は動かなくなり、声まで出なくなる。
ジェラール、そして・・・ニナ。
何もしてやれないまま・・・こうして時間だけが流れていく。

ニナはもう図書館には向かわなかった。
その代わり家で、ジェラールがくれた剣を見つめている。
「・・・・・・」
そっと外に出て、その剣を振る。
「・・・・・・」
あの時のように。
ブンッ。
「・・・・・・」
あの時と同じように・・・。
ブンッ。ブンッ。
振るたびに、虚しくなるばかり。
・・・・ジークレインはあれから、自分を見ていないような気がした。
視界には入っていたとしても、彼女の事は見えていない。
・・ただただ、悲しかった。
ジェラールがいなくなった事よりも、ずっとずっと。
自分の知っている彼は、もういなかった。
「ジー・・クレ、イン・・・」
いつの間にか彼女の瞳から涙がこぼれていた。
止めようとしても、止まらない。
2人の少年と同じ色をした、青い瞳が涙でかすんでいく。
ジークレインはいない。
ジェラールもいない。
止めるのは、自分しかいない。
自分しか・・・。
「・・・あ」
そうだ・・・だったら、
(今進めるのは、自分しかいないんだ・・・)
もう一度、剣を手に取る。
(あたしの力で・・・進むんだ!)

「・・・・ジークレイン、おはよう!」
「・・・・・」
やはり返答はない。
それでも彼女は声を振り絞る。
「『鏡魔法』・・『ミラーマジック』って、覚えてる?」
「・・・・・」
彼に変化はない。
「『鏡魔法(ミラーマジック』ってさ・・・剣を作り出したり、盾みたいになったり・・・『造形魔法』みたいに、高度な魔法だよね?」
「・・・・・・」
「・・・・だから・・2人でこれを覚えて、・・・評議院に入らない?」
その時、ジークレインの体がぴくっと反応した。
「そしたら、時間はかかるだろうけど・・・ジェラールを探せるよ」
「・・・・・さが、せ・・る・・・」
彼の口から、声が溢れてきたのだ。
「!!声、出たんだ!良かった・・!」
そして、ゆっくりとジークレインの顔が上がり・・・
・・・やっと、自分を見てくれた。
その瞳が、驚いたように見開かれる。
「・・・・あれ・・?何で、涙が・・?」
また彼女の瞳に涙が溢れていた為だった。
「・・・・ニナ」
久しぶりに呼ばれた、自分の名前。
ジークレインが、ニナを抱きしめる。
「・・・今まで、ごめんな・・」
彼女もジークレインを抱きしめ、こう言った。
「・・・うん」



続く
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【2010/10/26 21:04】 | FT二次小説
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