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通りは、買い物客でにぎわっていた。

・・・・・・・・遅い。
すでに一時間が経過している。
自分はもう、買い物は済ませてしまった。
それなのにリルキィは、宝石店の前で立ち止まったままだ。
隣にいるユークは、不思議そうに彼女とアクセサリーを交互に見比べている。
確かに、言っちゃ悪いがそれほどいい品揃えでもない。
そしてモーグリの店主は、困ったようにくるくると回っている。
「・・・・・・・・おいリルキィ」
レイルは溜まりかねて口を開いた。
「・・・・・・・・うん?」
リルキィはまるで人がいるのを忘れていたかのように言った。
「まだ終わらないのか」
「いやぁ、やっぱりここには無かったですね~」
「・・・・・・完全なるウィンドウショッピングだな」
「ちっ、違うですよ!?たぶ・・・いや絶対」
リルキィはあせったように言った。
「・・・やっぱり工房に行くしかないですね」
「それなら奥にあるから、ついでに後でいいだろ。・・それと」
レイルは続けて言った。
「頼まれてたコレ、買ってきたぞ」
「ありがとうですー」
彼女はにっこりと笑った。
・・・・・まったく。
「・・・・じゃあ、とりあえず何か食うか。行くぞ」
レイルはそう言うと、宿の方へ向かう。
「あっ、待ってです~~」


甘い匂いで頭が麻痺してきたレイルは、口を開いた。
「・・・・・・・・さっきから何を作っているんだ」
「秘密ですぅ~」
・・・・・これ、一応夕飯だよな?
まあ、何でもいいと言ったのは自分なのだが・・・
だんだん不安になってきたレイルであった。

「できたですー」
「・・・・・・・ん?ああ、できたのか?ふああ
半分寝ていたレイルは、その声で起きたようだった。
(寝てたですね・・・)
リルキィは内心思った。
「これですぅ~」
「・・・・何だこれ」
甘い香りが立ち込める室内の、中央のテーブルにはこんなものが乗っていた。
まず、瓶に入った黄色いドロドロしたもの。
4つある、少し硬そうな細長いパン。
それと、オレンジ色のジュースのようなもの。
「これは、しましまりんごジャムとコーンパン、それからバケットにほしがたにんじんジュースですー」
「・・・・・バケットってまさか、あの王都に転がってる・・・」
レイルは顔をしかめて聞いた。
「・・・・・・・・・まさか、違うですよ~」
だったら今の空白は何なんだ。
あの、壁にぶつかってもびくともしないバケットを食べるんだと想像すると寒気がしてきた。
「このバケットにジャムをつけて食べるですー」
だったら少しはマシだろうと思い、いただきますとレイルは言った。
・・・・・・・・・意外と礼儀正しいですねー
「ん?何か言ったか?」
「い、いやぁなんでもないっスよー」
「・・・・?」
いつもと違う口調にレイルは顔をしかめたが、また口を止めないで食べ始めた。

「ふーん、意外とうまかったな」
レイルは、食べ終えるとそう言った。
「意外とって失礼です!!ちゃんと味見したんだからうまいに決まってるです!!」
いや、そういう問題じゃないだろ。
てか味見してたんだ。
「・・・このしましまりんごって、旧レト水道の木になってるヤツだろ」
「そうですよ♪」
「それ、しましまりんごじゃないかもな」
「木の実だけど、ちゃんとしましまだったです!!」
いや、そこの木のことを言ってるんじゃなかったんだが・・・。

「・・・・そういやお前って、家出しただろ」
「へ??」
リルキィはぽかんとして言った。
「いや、なんとなくだ。あんな所で道に迷ってたし」
「ま、まぁ・・・」
「たぶん、家族が探し回ってるだろ」
「だから、逃げてるですよ~。家族っていうかパーティだけど」
「・・・お前だけベアラーか?」
「いや、全員」
「・・・見事なベアラーパーティだな」
「でも、それじゃつまんないから家出したですー」
「・・・・まあ、そうかもな」
レイルはあっさり認めた。
「じゃ、寝るか」
「はい??」
突然レイルがいった言葉に、リルキィは呆然とした。
「あ、シャワー浴びるのと工房行くの忘れてたな」
「い、いやそういうことじゃなくて」
リルキィは続けて言った。
「このタイミングで、ですか??」
「・・・なんだ、俺が一人でいる理由でも聞きたいのか」
「いやぁ、なんとなく分かるから別にいいですけど~~」
どっちなんだ。
「じゃ、工房は明日にしてシャワーでも浴びるですー」


部屋に戻ると、レイルはベットにぶっ倒れた。
「・・・・・・」
「・・・・・くかぁ」
(眠れるわけないし・・・)
「・・・・・んが」
(・・・ぷっ)
「・・・・・ぐー」
(かわいい)
「・・・・・・すかー」
(はぁぁぁぁぁぁ)
「・・・・・・くぅ」
(やべえ!!!)
「・・・・・・ん?」
(ぎょわっ!?)
「すー・・・・」
(・・・ホッ・・)
自分の顔は今、にやけているのだろうか。
誰も見ていないことを分かっていながらも、気にする自分に苦笑する。
・・・思わず、彼の唇に自分の顔を近づけた。
(・・・・ダメだダメだ)
レイル様は今、寝ているんだからそっとしておいてあげなきゃ。
「・・・くか」
(はぁ・・・レイル様が隣にいるのが、気になって眠れない・・・)
このふさふさした髪に触れたくなってくる。
そして、この寝顔に・・・
(アーッ、もうっ)
この顔はすごく罪だと思う。
特に、寝顔は・・・
「・・・むにゃ」
(にょわぁっ!?)
レイルが急にこちらへ寝返りを打ってきた。
わーわーわー。
すっっごく近いんですけど!!
「・・・・あったかい」
リルキィは彼を起こさないように立ち上がると、
そっと部屋を出た・・・。



続く
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【2010/03/29 18:03】 | FFCC二次小説
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