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「何故だ!?何故、あんな奴を・・・」
最後まで言い切れずに、ふうふうと息を切らす老人。
それだけの勢いと怒りがある事は見て取れる。
老人の真正面に座っていた青年は、それとは正反対にあくまで冷静だった。
「会長、お気持ちは分かりますが、とりあえず落ち着いてください」
会長と呼ばれた老人にゆっくりと、かつ丁寧に悟してみるが、
「誰が落ち着いてられるんだ!!」
と逆に悪い方向へ進んでいくばかり。
もちろん、そんな事はこの場にいた全員が把握していた事だったのだが、やはり会長というだけあってか怒りも人一倍大きいのだろう。
しかも知らなかったのは会長一人と言うのだから、なおさらだ。
皆が対応に困っていた時、会議室の扉が開いた。
「騎士長っ!!これはどういう事だ!?」
遅れてきた人物が入ってくるなり、会長は声を荒げる。
そして、騎士長の隣にいる少女が口を開いた。
「会長、騎士長は本当は安静にしていなければならない身です。ご病気を患っている会長ならお分かりになるでしょう。彼にも、会長ご自身のお身体にも障ります」
老人には充分その言葉の意味が分かったらしい。
明らかに不満げな表情をして、椅子に腰を下ろした。
「・・・では、これより議決を始めます。まず賛成の意見を」
司会が言い終えないうちに、手が挙がった。
ただし、その数は2つだ。
「第1部隊隊長、エアル・フィザー・・お願いします」
1人目はエアルだった。
「私は・・・・・・・に賛成です」
しっかりと会長を見据えて意見を述べたエアル。
彼女が腰を下ろしたのを見届けると、司会はまた口を開いた。
「他には・・。白騎士長、オリオン・ヴィアズ・・お願いします」
そう、もう1人は・・・白騎士長だったのだ。
一呼吸置いて、オリオンは話し始めた。
「自分は、彼・・黒騎士長、ルーヴ・キリーダがこの『ホワイトツリー第1部署』に所属することに賛成します」
これに溜まりかねた老人が立ち上がった。
「騎士長!!何故貴方が賛成するというのですかっ!貴方は実際に見たのでしょう、奴の冷酷さを!あんな者をここに置いておくなど、危険すぎる!!」
「・・会長」
オリオンは静かに、そして真っ直ぐ会長を見つめた。
「確かに彼は魔法剣士として・・人として、やってはいけない事をしてしまった。しかし、それは彼の意思でやったのではありません。彼は、今度こそ自分の意思で更生しようとしてるんです。だから会長、それを認めてあげてください」
おおっ、という声とともに拍手が沸き起こる。
「・・・ぐぬぅ・・。分かった、認めよう。騎士長がそこまで言うのであれば・・・」
「ありがとうございます」
騎士長は微笑して、一礼する。
「ただ」
そこでまた老人の表情が厳しくなった。
「奴の事は、騎士長たちが充分に監視し、責任を持ってくれ」
「もちろんです。・・・会長、蛇足とは思いますが一言よろしいでしょうか」
「何じゃ」
「社会の窓が開いています」
老人は咄嗟に自分の脚を見た。
慌てて部屋着姿で出てきたので、ジーンズのチャックを閉めるのを忘れていた。
「・・・・・うぐ」
会長は一瞬怯み、苦い顔になる。
恥ずかしそうに俯き、
「わ、分かっとるわい!!」
照れ隠しなのかむきになって叫んだ。
それが皆の緊張を解き、会議室中に笑い声が響いたのであった。



続く
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【2011/02/13 14:17】 | オリジナル小説
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