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迷子。
朦朧とした意識の中、思い浮かんだのはその1語だけだった。

天使が住む世界というのは全く不安定なもので、何かの影響を受け歪みが生じると空に穴が開く。
そして自分は、不幸な事に突如開いた穴に落ち転落、下界・・俗に言う人間界を彷徨っている訳である。
当たり前だが人間界に来たのは初めてなので、何も分からない。
自分が住んでいた世界と違い、下界はかなり広いので地理もさっぱりだ。

食べ物も無い。飲む物も無い。
しかも転落の際の衝撃で傷を負ってしまった為、血まみれの翼で空を飛ぶ事など不可能。
体力を浪費するだけなので翼はしまってある。
が、体力は徐々に下がりつつあった。

自分はこのまま死ぬのか。いや、消えてしまうのか。
短い人生だったな。人じゃないけど。
19年・・そう、人間界の時間で言えば19年間の生涯。
なんて自分は不運なのだろう。

・・・せめてこんな冷たい石畳の上でなく、暖かい木の板の上で死にたい。
誰か、自分を家に入れてくれないだろうか。
入れてくれる訳無いか。消えかかっている自分を認識できるのは、よほど霊感の強い人間・・数少ない人間だけだ。

その時、足元で何か物音がした。
ころころ、と物体が転がってくる音。
「・・・・う」
這いつくばって身体を方向転換させてみると、見えたのは赤い実だった。
こんな実、自分の世界では見た事が無い。
食べれるのか。食べるのは不味いか、転がってきた物だしな。
赤い実に手を伸ばそうとした時、不意に声を掛けられた。
「大丈夫か?」
低めのトーンだが、間違いなく女性の声だった。
(人間!?)
驚いて見上げると、黒いドレスを着た女性が立っていた。
「ん、怪我をしているな・・何処かから落ちたのか?」
「・・・・・・」
ほら、と女性が黒い手袋で包まれた手を伸ばす。
よく見ると、その女性はかなり美しかった。

夕日に照らされ、輝く緋色の髪。

紅みがかかった、綺麗な瞳。

女性の瞳に吸い寄せられ、

目が合った瞬間、

彼女の笑顔を見た瞬間、


恋に落ちた。



続く
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【2011/03/20 14:17】 | FT二次小説
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