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「キリ!」
エアルとアナは、医務室を出た後、近くの森まで来ていた。
本屋がある町とは別方向の、第1部署の裏の森。
何故こんな所にキリがいるのか・・考える前に、目に飛び込んできたものによってそれは判明した。

キリの手には、赤黒い血がこびり付いたナイフ。
足元には、ルーヴが腹部を押さえ倒れていた。

「ルーヴ!!」
真っ先にエアルがルーヴの元へと駆け寄る。
辛うじて息はしているようだが、すでに彼の意識は無かった。
「・・・どうして・・」
拳を握り締め、頭上の少年を見上げるエアル。
「・・・・キリ、まさかあんたが・・」
少し離れた場所で、青い顔をしたアナが少年を見つめる。
2人に追い詰められたようにキリが叫んだ。
「ち、違うんだ!・・・これは、その・・」
「じゃあ、そのナイフは何なのよ?」
アナの問いにキリは一瞬言葉に詰まる。
手に握られたナイフに付いている血と、ルーヴの腹にこびり付いた血は同じ色だった。
ポタリ、と俯いたキリの頬から雫が落ちる。
同時にナイフも地面に落ちた。
「・・・・・ごめん、なさい・・本当は、こんな事・・・」
少年が崩れ落ち、掠れた声で鳴き続けた。
「・・・こんな事、するつもりじゃ・・」
「・・・・分かった」
いつの間にかキリの隣に立っていたアナがかがみ、柔らかい腕で少年を包む。
表情は険しいものだったが、アナの腕は震えていた。
「とりあえず、落ち着け」

数十秒後、落ち着いてきた様子のキリにアナが尋ねた。
「どうして、こんな事した訳?」
「・・・・命令されたから・・」
(命令?)
アナやキリと同じようにしゃがみ込んだエアルが、途端に不安な表情になる。
外部の人間か。
それとも、内部・・第1部署の人間か。
「誰に命令されたのよ?」
「・・・名前は、分かんない・・。でも確か、水色の髪の毛で・・顔は暗くて、よくわかんなかったよ・・・」
水色の髪の毛・・そんな人物は第1部署にいなかったように思える。
だが、顔が分からないのでは何も手がかりが無い。
「いつ命令されたの?」
「・・・・今朝、1人でこの辺を歩いてたら・・」
その瞬間、アナの瞳がかっと見開かれた。
何事かと怯えながらエアルが身を仰け反らせる。
「あんたねぇっ!!だからいつも1人で出歩くなって言ってんだろがっ!!そうかぁ、だから今朝はあんたの姿が見当たらなかった訳だ」
「ひーっ!ごめんなさい!!でもでも、これは仕方なかったんだよ。だって怪しい人が第1部署の周りをうろついてたんだもん」
「だったらあたしに言えーっ!!」
アナの側にあった例のナイフが何故かエアルに飛んできて、慌ててそれを避ける。
直後にアナは「ちっ外れた」と呟いた。
まさか最初から自分を狙ったのでは・・とエアルの表情が引きつった。
「・・・で、何か怪しい人に『ルーヴを殺せ』って言われた訳ね?」
『何か怪しい人』とは何だろうと突っ込みたくなったエアルだが、下手な事を言うと今度は自分が殺されそうな気がしたのでやめた。
「うん。その人、変な儀式みたいな事してたんだ・・・」
キリの顔が苦しそうに歪む。
「「儀式?」」
どんな儀式かとアナが聞くと、キリは思い出そうとするように首を捻った。
「・・・・えーと、確かね・・」
彼が言うには、こんな儀式だったそうだ。

まず水しぶきが打ち上げられる。
それから、少女らしき悲鳴が聞こえる。
男の声らしき呪文も聞こえた。

「僕が近づいたら、女の子が急いで逃げてったんだけど、もう1人男の人が残ってた。僕も慌てて逃げようとしたら男の人に腕を掴まれて、『今見たことは誰にも言うな。それから、お前はルーヴ・キリーダを殺せ。もし殺そうとしなかったら俺がお前を殺してやる』って言われたんだ」
「ふぅーん、じゃあそれが命令って事ね・・・」
「アナさん、もしかして・・『水しぶき』って、『水の剣士』に関係してるんじゃ・・・」
エアルが発した『水の剣士』という言葉に、キリがぴくっと反応する。
「・・・このナイフ、その人がくれたんだけど・・『お前には、水の剣士の素質がある』って言って渡された」
「え・・という事は、キリ君は『水の剣士』なんですか?」
アナは頷いてからより一層険しい顔になった。
「しかもナイフは『水の剣士』専用。ルーヴは『水』属性の攻撃を受けた事になる」
『水』は光に属する。
つまり、『闇』属性であるルーヴはかなりのダメージを受けたという事になるのだ。
「じゃあ、早くルーヴを医務室に・・・」
ルーヴを抱えて運ぼうとした、その時。

バシャッ!

キリ、エアル、アナの3人に水しぶきがかかり、3人とも一瞬目を開けなくなる。
同時に、すごい速さで何かが通り過ぎて行った。
「な、何だったんだよ今のは・・・」
「・・・あれ、ルーヴ?ルーヴは?」
目を開けると、ルーヴの姿が無かった。
「連れ去られた!?」
先程の何かに、ルーヴが連れ去られてしまったようだった。
「あれって・・今のって、人なんですかね?」
何かが通り過ぎていった方向を見つめ、キリがぼそりと呟く。
「・・・朝の、女の子だ・・」



続く
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【2011/03/27 17:04】 | オリジナル小説
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